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#27

徳川幕府 始まりと終わり

いま話題の徳川家康は、260年続いた江戸幕府を開いた人物。そして最後の将軍となったのが、徳川慶喜。実は京都には、そんな「徳川家の始まりと終わり」を両方知ることができる名所があるといいます。
今回は俳優の中村雅俊さんが、徳川家ゆかりの名所を巡り、それぞれに秘められた「始まり」と「終わり」の名残から、歴史の裏側をひも解きます。
まずは世界遺産「二条城」へ。二条城は徳川家康が築き、三代将軍家光の頃に完成した、いわば徳川家、始まりの頃の権力と財力を感じられる場所。国宝「二の丸御殿」の中には徳川の世になったことを知らしめる驚きの仕掛けがありました。また、将軍と「ある人物」との歴史的な対面も。城内にある美しい庭園がその歴史的な出来事を今に伝えます。一方で、二条城は徳川の世の終わりを告げる「大政奉還」が行われた場所。最後の将軍、慶喜にまつわる知られざる舞台裏とは。

京都で最も長い歴史を誇る神社のひとつ「下鴨神社」もまた徳川家と深い関係が。そのことを示すものが、めったに立ち入る事が出来ない本殿の裏側に。またこの神社に伝わる貴重な絵図には、江戸時代最後の天皇と、将軍の姿が描かれていました。実はこれがなんと徳川幕府の終わりを物語っていると言うのです。それは一体どういう事なのでしょうか。
京都の中心地から南に位置する伏見は、かつて豊臣秀吉が城を築き、水運を整え、経済を発展させた城下町。実はこの地を家康が、江戸や駿府と同様に重視したことを示す驚きのデータが!そんな伏見で1000年以上の時を重ねてきた由緒ある「御香宮(ごこうのみや)神社」には、2代将軍秀忠が作らせたという豪華絢爛なお宝が今に伝わります。年に一度しか開帳しないというその貴重なお宝を今回特別に見せて頂きます。さらにこの神社は、徳川幕府終焉の地でもあったのです。
京の都が、時代の節目に欠かせない重要な場所であることを再発見する旅、是非お楽しみに。


【専門家出演者】
●歴史作家
河合敦 先生

 


 

徳川幕府 始まりと終わり
多くの観光客で賑わう京都の名所には、徳川家の繁栄の「始まり」と「終わり」を知ることができる場所がいくつもある。今回は、中村雅俊が各地の名所を巡り、徳川家の栄枯盛衰の歴史をたどる!

 

二条城 権威を示す驚きの仕掛け
最初に訪れたのは、徳川家の全盛期に造られた「二条城」。
大名や公家が将軍と公式に対面する場所であった「二の丸御殿」を案内していただいた。徳川の威光を示す部屋「式台」には大きな松の絵が!松の絵には徳川幕府の終わらない繁栄の願いが込められていたとのこと。
小堀遠州が手がけた「二の丸庭園」は、二条城に招かれた「ある人物」がいる御殿と、将軍がいる御殿では見方が変わるように設計されている。徳川の権力を世に示すことになったその人物とは!?

 

<二条城>
・住所:〒604-8301京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
・電話:075-841-0096
・公式サイト:https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/

 

二条城「大政奉還」の真相
15代将軍・慶喜が政権を朝廷に返上した大政奉還が行われた部屋「黒書院」と最奥にある「白書院」を案内していただいた。
内乱を避けて政権を返還することを決断した慶喜は、二条城と京都の町を守るため、二条城の西門からこっそりと抜け出したのだとか!

 

下鴨神社 将軍との意外な関係
続いては、世界文化遺産にも名を連ねる「賀茂御祖神社(下鴨神社)」へ。
2代将軍・秀忠によって再建されたことから、本殿には徳川の紋章「葵の紋」が刻まれている。
為政者はその土地を復興させ、繁栄させる義務があると考えられていたことから、徳川家は様々な建物を復興したとのこと!

 

<賀茂御祖神社(下鴨神社)>
・住所:〒606-0807京都市左京区下鴨泉川町59
・電話:075-781-0010
・公式サイト:https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

 

下鴨神社「葵の紋」の秘密
下鴨神社の御神紋「二葉葵」の隣に刻まれている「葵の紋」は、逆さに刻まれている。果たしてその理由とは!?
京都三大祭のひとつ「葵祭」は、5代将軍・綱吉が復活させた。毎年5月、多くの人々が雅な行列を楽しんでいる。

 

下鴨神社 墜ちた将軍の権威
かつては二条城に天皇を招き、煌びやかな行幸でその力を天下に見せつけていた徳川家。
しかし、約240年後の行幸では朝廷から呼び出され、やむなく参加することに…。

 

家康が開いた「伏見幕府」!?
再建した伏見城にいた家康は、朝廷に征夷大将軍に任命されて幕府が始まった。さらに秀忠と3代将軍・家光も伏見城で征夷大将軍に任命されたという。
江戸時代初期、家康が伏見城を拠点としていたことから、家康時代を「伏見幕府」と呼ぶ学者もいるとのこと!

 

特別公開!将軍が作ったお神輿
1000年以上前に創建された「御香宮神社」へ。
徳川家の財力と権力を示すお宝「千姫神輿」を特別に公開!秀忠の娘・千姫の誕生を祝い奉納されたそう。金銀が惜しみなく使われた重さ2.3トンの御神輿からは、徳川家の力を実感できた。 

 

<御香宮神社>
・住所:〒612-8039 京都府京都市伏見区御香宮門前町174
・電話:075-611-0559
・公式サイト:https://gokounomiya.kyoto.jp/

 

家康ゆかりの神社が戦場に!
徳川家は鳥羽伏見の戦いが決定打となり、衰退の一途を辿った。伏見の戦いで、徳川の聖地とも言えるこの地が占拠され、徳川家は終焉を迎えていくことに…。