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#168

国宝 三十三間堂 時代を超えた魅力

 京都を代表する名所、三十三間堂。実は、時代によって様々な魅力、違った目的で、人々を惹きつけてきた事が分かっています。今回の旅人は中村雅俊さん。三十三間堂が各時代の人々にとって、どんな存在だったのか、意外な歴史をひも解きます。そこで番組のカメラは、ふだん滅多に見ることのできない特別な風景の数々を捉えることが出来ました。
 まずは、全て国宝である1000体もの千手観音立像と対面。いつもとは全く違う角度から見られる特設階段を登ると、圧巻の光景が待っていました。また、仏像群の真ん中で唯一座っている中尊の千手観音にも大接近。背後に見える40本もの手は何なのか。その謎が明らかになります。
 平安時代、三十三間堂を建てたのは後白河法皇。なぜこのお堂に千手観音を祀ったのか?謎を探るため向かったのは、歩いてすぐにある新熊野神社。当時、大流行していた熊野詣との深い関わり。しかもそこには、京都の熊野古道が…。さらに後白河法皇はなぜ、千手観音を1000体も祀ることにしたのか?その謎を探ると、当時、絶大な権力を誇った平清盛の、大出世の理由が浮かび上がります。

 戦国時代、天下人・豊臣秀吉は京都に巨大な大仏を建立しました。その大仏殿を囲む塀を辿ると、なんと三十三間堂がその敷地の中に。秀吉が三十三間堂を巻き込んで計画した「豊臣テーマパーク」とは?
 江戸時代、三十三間堂は庶民たちのスタジアムと化していました。人々を熱狂させたあるイベントとは?そしてなんと江戸にも、幻の三十三間堂があった?その証が当時の浮世絵にありました。
 さらに現代。閉館後、普段は僧侶しか見ることが出来ない絶景をテレビ初公開!闇に浮かぶ1000体仏とは?
 誰もが知る名所・三十三間堂の、知られざる真実が明らかになります。
 
【専門家出演者】
●歴史作家 多摩大学客員教授
河合敦 さん