バックナンバー

#158

“森の京都”いにしえの絶景を行く

京都府の中央に位置するエリアには、「森の京都」と呼ばれる緑豊かな地域があります。今回は宇梶剛士さんが、京都市内から嵐山を経て、亀岡、園部まで続く「森の京都Q Rトレイン」に乗って、そんな美しい自然の中へ。
 最初に訪れる亀岡は、古くから丹波における政治、産業の中心地として栄えたエリア。この地を支えてきた保津川の役割について教えていただきます。さらにこの川を巧みに利用した明智光秀の戦略にも迫ります。
江戸時代、そんな亀山(現在の亀岡)で才能を開花させ、都で活躍した人物がいます。天才絵師・円山応挙です。「金剛寺」は、応挙が幼い頃に小僧生活を送っていた寺院。「波濤図」や「群仙図」という襖絵を間近で拝見しながら、応挙の絵師としてのルーツを紐解きます。50代半ば、応挙はこれらの作品を金剛寺で描き、寄贈しました。その理由とは?
さらに、平安時代から1200年に渡り朝廷に献上された特産品の馬路大納言小豆を使った最中をいただきます。

 続いて訪れたのは、「るり渓」と呼ばれる美しい渓谷がある南丹市の園部。この地で向かうのは、あの北野天満宮よりも前に創建された「生身天満宮」。12,000あるといわれる天満宮の中で唯一、菅原道真がご存命の頃からお祀りしていたとされ、「日本最古の天満宮」と言われています。なぜ、都から離れたこの場所に建てられたのか? そこには道真親子との知られざる物語が。同じく園部に門を構える「清源寺」にも足を運びます。ここにはコアな仏像ファンが胸を踊らせるほど、珍しくユニークな姿をされた像が。お酒を飲み過ぎてしまった仏様やウィンクをしている仏様の姿に宇梶さんも大興奮。
 最後に向かったのは森の京都を象徴する「美山 かやぶきの里」。江戸時代から明治時代に建てられた茅葺き屋根の家屋が多く残され、古き良き日本の原風景を今に伝える山里です。「美山民俗資料館」で、かやぶき屋根の裏側や美山の暮らしに関する展示を見学。この土地ならではの暮らしの知恵も教えていただきます。
絶景と癒し、そして都との深い繋がりを持つ歴史ロマンに溢れる、「別世界の京都」を楽しみます。

 
【専門家出演者】
●京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員
小嶋一郎さん