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#152

世界遺産・天龍寺 繁栄の秘密

嵐山を代表する名所・天龍寺。世界遺産であり、かつ特別名勝を持つ、京都で最も格式の高い禅寺のひとつです。この寺はなぜ多くの人々を惹きつけているのか?また、かつて天龍寺は嵐山の多くを境内としていたと言います。実は、その創建と繁栄の秘密は周囲に点在する塔頭寺院に隠されていました。そこで今回は、歌舞伎俳優の尾上右近さんが、天龍寺や周囲の塔頭などを巡りながら、天龍寺が繁栄し続ける理由を紐解いていきます。
天龍寺でまず、特別に見せて頂いたのが、創建から約80年後に描かれたと伝わる天龍寺の境内図。敷地は創建当時、30万坪。現在のおよそ10倍にも及んだ巨大寺院でした。この寺を開いたのは、室町幕府の初代将軍・足利尊氏。なぜ尊氏はこれほどまで巨大な寺院を開いたのか、その秘密を紐解ける場所へ。

天龍寺・法堂のすぐそばにある塔頭、室町時代に創建された宝厳院(ほうごんいん)。庭の景観を補うために春、秋以外は非公開のこの寺院の撮影が今回、特別に許されました。そこで見せて頂いたのは、足利尊氏がつねに携えていたという念持仏、地蔵菩薩。その仏から伺える尊氏の意外な素顔とは?
天龍寺創建に関わる更なるキーマンが、天龍寺の多宝殿に祀られている後醍醐天皇と、天龍寺の国宝の庭を作った初代住職、夢窓国師。浮かび上がるのは、「尊氏がなぜ、敵対していた後醍醐天皇を弔うため、天龍寺を開いたのか」という疑問。そこで、夢窓国師にゆかりの深い寺院、臨川寺(りんせんじ)を訪ねると、夢窓国師が足利尊氏に贈り、その尊氏の心を動かし、天龍寺の創建を大きく後押しした言葉が明らかに。
また、この寺がいつの時代も人々を惹きつけているのはなぜか?その秘密も解き明かします。明治時代、寺の危機を救ったのは…お風呂!?さらに世界遺産の中にあり、ミシュランガイド・ビブグルマンに認定された精進料理店へ。驚きの真実を伝える1時間です。

 
【専門家出演者】
●京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員
小嶋一郎さん