バックナンバー

#139

神になった天下人

京都には、人々に敬われ「神」となった3人の天下人「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」を祀る社寺があります。今回は俳優の渡辺大さんが、それらの社を巡る旅へ。彼らはなぜ神になったのか?そこに込められた思いとは?天下人としてのそれぞれの素顔を探ります。
信長を祀るのは京都の北側、船岡山の山頂に鎮座する「建勲神社」。比叡山延暦寺の焼き討ちなど、一般的に冷徹なイメージのある信長がなぜ神になることが出来たのか?また、信長がこの社に祀られたのは、明治時代に入ってからでした。没後290年を経て神になった、意外な理由が明らかに。さらに今、注目されている「建勲神社」の御朱印帳。その人気の秘密にも迫ります。

秀吉を祀るのは、東山七条エリアにある「豊国神社」。実は秀吉は、生きたまま神になろうとした日本で最初の人物だと言います。秀吉が生前に行っていた、神になるための準備とは?しかし、全て計画通りに運んだわけではなく、一部叶わなかったことも。秀吉の誤算から紐解けるのは、当時の時代性。境内にある宝物館では、秀吉の愛用品や豊臣家ゆかりの様々なお宝と対面。その中には、秀吉がいかに都人に愛されていたのかを伝えるものも。今は無き、日本一の大仏に込められていた秀吉の思いとは?
家康と言えば、栃木県の日光東照宮が有名ですが、京都にも東照宮があります。その1つが東山のふもとに位置する南禅寺の塔頭・金地院の「東照宮」。信長と秀吉の成功や失敗から多くを学んできた天下人・家康を祀っています。この社の建立をはじめ、細部に渡り様々な指示を記した遺言の、興味深い内容。さらに家康の思いを汲み作られたのが、金地院の方丈庭園。「鶴亀の庭」に込められた徳川家の願いとは?
今も都に伝わる3人の天下人たちの思い。時代を超えたメッセージを受け取る旅です。

 
【専門家出演者】
●京都ジャーナリズム歴史文化研究所代表
歴史作家
丘眞奈美さん