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#112

新選組 鉄の掟に散った恋
~土方歳三 鬼の副長の素顔~

女優の檀れいさんと土方歳三の子孫・土方愛さんが、京都に残る新選組ゆかりの地を巡り、土方の足跡や隊士たちを愛した女性とのはかない恋を知る旅。
新選組ファンの聖地「壬生寺」には、土方が支えた近藤勇の像と、初代筆頭局長・芹沢鴨の墓が。隊のトップであったにもかかわらず芹沢は各所で問題を起こし、近藤・土方らにより粛清されてしまいます。その時、芹沢と一緒に命を落とした女性がいました。その理由を訪ね、現場となった新選組最初の屯所、八木邸へ。実際に粛清が行われた部屋に今も残る刀傷を拝見。そしてその夜、一緒にいたため命を落とした芹沢の愛人・お梅。2人の儚い恋について語ります。
常に死と隣り合わせだった隊士たちの安らぎとなったのが、花街・島原の女性。現役の太夫として活動する葵太夫が、新選組隊士も見た太夫道中や琵琶の演奏を披露してくれました。新選組の屯所だった旧前川邸に残るのは、島原の女性と隊士・山南敬助との悲しい恋の物語。ある事情で、隊の中で浮いた存在となっていた山南。彼と恋仲になったのが島原の芸妓・明里です。ところがある時、山南は新選組から脱走し捕まって屯所に戻されます。新選組には「脱走した者は切腹」という厳しい掟が。山南とは江戸にいた頃からの同志だった土方ですが、掟通り切腹を命じます。その知らせを聞いた明里の行動とは?2人の悲恋に檀さんは胸を詰まらせます。
常に非情な決断をしてきた土方歳三。彼の真の姿を探るべく、故郷である東京・日野へ。土方の生家に建つ「土方歳三資料館」に置かれる土方愛用の木刀には、武士の魂と言える「義」の文字が彫られていました。また、土方が上洛前にまとめた俳句集には、“鬼の副長”の異名からは想像できない恋の句も見つけました。そして、愛刀・和泉守兼定からは最後まで諦めずに戦った土方の姿が浮かびます。
「鬼の副長」土方歳三の知られざる素顔と、隊士たちを愛しながらも鉄の掟により散った女性たちの恋に迫ります。

 
【専門家出演者】
●土方歳三資料館 館長
土方愛さん