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#103

老舗の味でタイムトラベル

今回は、京都に数多く残る「老舗の食」を通して、都の歴史を探る旅。明治時代から、江戸時代、室町時代、平安時代まで…女優の檀れいさんが、各時代に生まれた老舗を巡り、長く愛されてきた料理を頂きます。
まずは150年前にタイムスリップ。明治維新後、京都も近代化が進み、食文化にも革命が巻き起こりました。牛肉が食べられるようになった当時、寺町通三条角に暖簾を掲げたのが、すき焼きの老舗「三嶋亭」。日本を代表する文豪も愛したその逸品を堪能。
300年前の江戸時代中期。芸術や文化が熟成したこの時代には京野菜の栽培が盛んになり、鯖街道や北前船などを利用した物流も大きく発展。ある京野菜と、ある海産物が出会って生まれた一子相伝の料理「いもぼう」とは?
400年前、戦国時代が佳境を迎えた頃、かの天下人、豊臣秀吉はある野望を抱き、現在の豊国神社界隈に足を運んでいました。その際に秀吉が草鞋を脱いで一服した茶店が今もなお、料理店「わらじや」として歴史を繋いでいます。そんな秀吉ゆかりの老舗で味わうのは、鰻を使った名物雑炊「うぞふすい」。果たしてそのお味は?
550年前の室町時代後期。守護大名が力を持ち始めたこの時代に勃発したのが「応仁の乱」でした。そのわずか2年前に創業したのが、日本最古と伝わる蕎麦店「本家尾張屋」。蕎麦の文化がなぜ京都で花開いたのか?その謎を紐解く鍵が、蕎麦店の隣にある菓子処に…。
1,000年前の平安時代後期。都を襲った疫病を鎮めるため、現在の北区紫野に創建されたのが今宮神社。当時、疫病除けにと生まれた食べ物が、今も門前に受け継がれています。神にお供えした米で作る「一文字屋和輔」のあぶり餅。この味を支える物が店の奥にありました。
これらの品々から浮かび上がる、それぞれの時代の京都の姿。食べ歩きの新たな楽しみ方を提案します。
 
【専門家出演者】
●京都ジャーナリズム歴史文化研究所代表
歴史作家
丘眞奈美さん