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#1005

国宝の仏像 7つの物語

京都に残る国宝の仏像は40件。国宝とは、国が指定する重要文化財のうち、特に制作が優れ、学術的に価値の高いもの、歴史上極めて意義が深い文化財のことを言います。今回は、そんな貴重な『国宝の仏像』を巡る旅。美しい7つの仏像を、そこに秘められた歴史の物語とともに訪ねます。なぜ国宝に選ばれたのか?仏像の楽しみ方がわかる2時間です。
 東山の名刹『三十三間堂』。世界一長い木造建築とも言われる本堂の中に入ると、ずらりと並ぶ千手観音立像が迎えてくれます。その数なんと1001体。なぜこれほどの数を並べたのか?そこには時の上皇、後白河上皇と、当時権勢を振るった平清盛との物語がありました。
京都の西、御室と呼ばれる地に立つ世界遺産『仁和寺』。霊宝館に安置されているのが、創建当時から伝わる阿弥陀三尊像です。注目すべきはそのお顔。目鼻や口が小さく、日本人らしい柔和な表情の仏さまが生まれた理由とは?
比叡山の麓に位置する隠れ里、大原の地を代表する寺『三千院』。その中で最も古い小さなお堂に、国宝、阿弥陀三尊像が祀られています。建物全体で表現されている極楽浄土。そこには、極楽往生を切に願った先人たちの工夫が秘められていました。
都の南東、秀吉の醍醐の花見でも知られる『醍醐寺』。寺のシンボルである五重塔や、天皇家からの使いを迎える唐門など数々の国宝をもつ醍醐寺ですが、中でも貴重だとされる仏像が、霊宝館に展示されている薬師三尊像。そこには、現代にもつながる病気平癒の願いが…。
 他にも、嵐山の『清凉寺』、京都の南に位置する『浄瑠璃寺』、『大御堂観音寺』が誇る国宝の仏像、さらには思わず笑みがこぼれてしまうユニークな仏さま、個性的な仏さまもご紹介。今だからこそ見ておきたい仏の世界、完全保存版です。

【専門家出演者】
●仏像ガイド
政田マリさん

●同志社大学文学部
井上一稔さん

●京都国立博物館
淺湫毅さん

●歌う仏像研究家
宮澤やすみさん

●編集者 永青文庫副館長
橋本麻里さん