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#95

土方歳三と新選組の女たち

激動の幕末、局長・近藤勇、副長・土方歳三を中心に京の治安を守った新選組。武闘派ぞろいで知られる彼らにも、女性たちとのはかない恋がありました。今回は檀れいさんと土方歳三の子孫・土方愛さんが、京都に残る新選組ゆかりの地を巡り、土方歳三の足跡や隊士たちを愛した女性たちの想いに触れます。
新選組ファンの聖地「壬生寺(みぶでら)」には、土方が生涯をかけて支えた近藤勇の像が置かれています。その横には、初代筆頭局長・芹沢鴨のお墓が。実は、芹沢は近藤・土方らにより粛清されていました。一体なぜ?
新選組最初の屯所、八木邸。ここが土方らによる芹沢粛清の現場。その時、一緒にいたのが芹沢の愛人・お梅。襲われたときの刀傷を見ながら、芹沢とお梅の儚い恋について語ります。また壬生寺では、復刻した新選組のトレードマーク、だんだら羽織を拝見。今回がTV初公開という貴重な品です。
常に死と隣り合わせだった隊士たち。その心の支えとなった女性たちがいました。花街・島原の女性たちです。現役の太夫として活動する葵太夫が、琵琶の演奏を披露してくれました。新選組の屯所であった旧前川邸には、島原の女性と、ある隊士の悲しい恋の話が。その隊士とは近藤、土方とは江戸からの同志・山南敬助。山南は、総長という幹部職に就くも次第に第一線から外れていき、隊の中で浮いた存在になっていました。そんな山南を支えていたのが、島原の芸妓・明里。新選組の中で居場所がなくなってきた山南は、隊の脱走を試みるも捕まってしまいます。新選組には、土方がつくった「脱走した者には切腹」という厳しい掟がありました。昔からの同志とはいえ、土方は山南に切腹を命じます。その知らせを聞いた明里は旧前川邸を訪れ、格子窓越しに別れを惜しんだと言います。明里と山南の恋物語に、檀さんは胸を詰まらせます。
「霊山歴史館」では、新選組の名を世に知らしめた池田屋事件のときに、近藤勇の命を守った鎖帷子を拝見。そこには、妻・ツネの愛が込められていました。
隊の秩序を守るため、何よりも鉄の掟を大切にした新選組。その掟をつくり、私情に捉われず実行した土方歳三の思いと、隊士たちを愛しながらも鉄の掟により散った女性たちの恋に迫ります。
 
 
【専門家出演者】
●土方歳三資料館 館長
土方愛さん