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#89

奈良で知る京の真実

京都の街並みはいわゆる「碁盤の目」と言われるように、通りが規則正しく縦横に並んでいますがそれは、今から1200年前の古都、平安京の名残り。しかしその平安京も、さらにその前の都、かつて奈良にあった平城京が元になっています。そこで今回は中村芝翫さんが京都を飛び出して、さらなる古都・・・奈良を訪ねます。奈良を歩き、京都の旅をより深く楽しめるような歴史や物語と出会います。

まずは平城宮(へいじょうぐう)跡歴史公園へ。平城宮は平城京の政治の中心地であり、天皇のいる内裏があったところで、いわば京都御所のような場所。平城京もかつては碁盤の目と言われる街並みが広がっていたといいます。そんな平城京と平安京との共通点や、逆に全く違う所など、京都がより楽しくなる豆知識を教えていただきます。
奈良を代表する寺院「東大寺」、その入り口に並び立つのが金剛力士像。この像に秘められた「なぜか阿吽の位置が他の寺院と逆」といった様々な謎をひも解きます。そんなこの寺の最大の見所といえばやはり「奈良の大仏」。今から1300年前、聖武(しょうむ)天皇が、この大仏に込めた願いとは? さらにその裏には、子を思う親としての願いも込められていました。そして東大寺に伝わる貴重な宝も今回特別に見せて頂きます。国宝の仏像から浮かび上がる京都との繋がりとは?

東大寺と並ぶ、奈良を代表する寺院「興福寺」。この寺といえば見ておきたいのが、「阿修羅像」。阿修羅は戦いの神と言われますが、この像に猛々しさはなく、幼い少年のような顔つき。そこには聖武天皇の后、光明皇后の思いが秘められていました。さらにこの寺には、京都で人気の清水寺や、弘法大師空海とも深いゆかりがあったのです。
また、奈良を訪ねたら、ぜひ手にとってほしいお土産もご紹介。奈良の大仏の掃除にも使われるという、手触り抜群のふきんや、奈良といえば欠かせない定番の「あのお漬物」の長い歴史をひも解きます。
1300年の古都、奈良を訪ね、京都をさらに深く楽しみます。
 
【専門家出演者】
●京都産業大学 日本文化研究所 上席特別客員研究員
小嶋一郎さん