バックナンバー

#77

世界遺産・二条城!すべて見せます

徳川家康の命によって築かれた世界遺産「二条城」。今回は、俳優・渡辺大さんが、城郭考古学者・千田嘉博先生と、日本に唯一と言える特別な城・二条城の魅力に迫ります。
まずは入り口の東大手門へ。一般的な城は、大手門の前にもう1つ門を設けて防衛力を高めたといいますが、この城にはその姿はありません。
さらに、豪華な彫刻が施された荘厳な「唐門」には、防衛としての機能は備わっていません。一体なぜこのような門をつくったのか? それは徳川家が世に示した権力の表れでもありました。
 

国宝「二の丸御殿」。様々な種類の障壁画で彩られた御殿内部はまるで美術館。猛々しい虎や大政奉還が発表されたことで知られる「大広間」の豪壮な松の障壁画。これら美しい障壁画を描いたのは、徳川家お抱えの絵師集団である狩野派。
中でも最も重要な大広間の障壁画はリーダー格である、当時25歳の狩野探幽により描かれたと考えられてきました。しかし2019年「大広間 四の間」に描かれた大迫力の「松鷹図」の作者が別の人物だと発表されます。その絵師が、狩野山楽。豊臣秀吉に才能を見出された山楽、一時は徳川から追われる身に。
その男が一体なぜ徳川の御殿に絵を描いたのか?そして、その時の山楽の心境に渡辺大さんが思いを馳せます。
二の丸御殿の前に広がる美しい「二の丸庭園」は、徳川家の権威を感じる場所。名作庭家である小堀遠州は、見る場所によって印象が変わる二重構造の庭を仕掛けたのです。
家康築城当時は、現在の二の丸が本丸。洛中洛外図には、今はない天守の姿がしっかり残されていました。実はこの天守は、大坂城に次ぐ豊臣家の重要な居城・大和郡山城にあったもの。移築をスムーズに行うため、家康が思いついた驚きの方法とは?
江戸時代のはじまりと終わりの舞台となった二条城。この場所が「特別な城」と言われる理由をひも解きます。

【専門家出演者】
城郭考古学者 奈良大学文学部教授 千田嘉博さん
二条城学芸員 松本直子さん
嵯峨美術大学 山本英男さん
庭園デザイナー 烏賀陽百合さん