バックナンバー

#74

秋の4時間SP
都に眠る 天皇と武将の宝

今回は4時間スペシャル。中村芝翫さんが、京都にある天皇・貴族・武将たちの、貴重なお宝を巡り、それぞれの「知られざる素顔」を浮き彫りにします。
そもそも京都は、かつて代々の天皇が暮らした皇室ゆかりの地。そんな天皇家に縁が深いのが泉涌寺。ここで出会ったのは、江戸時代初期、幕府との関係性に翻弄された後水尾天皇の念持仏。その由来に秘められた意外な物語とは?左京区の聖護院門跡には、江戸時代中期から後期に在位し、博学多才なことで知られる光格天皇のお宝が…。明治維新の源流を作ったとも言われ、しかも令和の即位に関係する光格天皇が自ら刻まれたという仏とは?さらに平安時代を代表する貴族、藤原道長や、貴族出身の僧侶、親鸞のお宝とも対面。また、天皇ゆかりの雅な伝統和菓子や、小豆好きな親鸞聖人にちなんだお饅頭も堪能していきます。
 

武将たちの貴重な宝も続々登場。将軍・足利義政ゆかりの「銀閣寺」では、義政が毎日手を合わせていた阿弥陀如来立像と対面。それは、義政がこの場所に再現したかった「理想の世界」の象徴でした。「妙心寺」には、豊臣秀吉が愛した息子の坐像や、その玩具が。さらに、秀吉が信長の死後に奉納した信長公坐像や、秀吉が若かりし頃に拝んでいた三面大黒天から、天下人の心の奥底が浮かび上がります。そして、天下を統一した徳川家康の宝は、碁盤。実はそれは、秀吉と対局するために作られたもの。そこに秘められた思いとは?軍師・黒田官兵衛の息子、黒田長政が戦のときに必ず持参した毘沙門天像や、真田幸村の念持仏・地蔵菩薩も拝見します。
古都に残る偉人たちの宝を訪ね、そこに秘められた物語をひも解きます。

【出演】
京都仏像ガイド 政田マリさん
京都産業大学 法学部准教授 久禮 旦雄さん