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#52

なぜ観光都市になったのか
〜都の名所図会を歩く〜 

数々の世界遺産や国宝を備え、国内外の旅人たちを強烈に惹きつける京都。この地は年間5500万人以上が訪れる、国際観光都市です。しかしもともと京都は政治と経済の中心地。江戸時代後半に観光都市化が急速に進みました。今回は中村芝翫さんが、江戸時代の観光ガイドブック『都名所図会』をもとに歴史ある観光スポットを訪問。京都がいかにして日本を代表する観光地となったのか、知られざる努力を紐解きます。
図会でも紹介され、今も京都きっての観光地である清水寺へ。ここで見るべきポイントとして古の都人が薦めたのは、意外な場所でした。待ち受けていた驚きの絶景。観光客を集めるためにした工夫の数々とは?
浄土真宗本願寺派の本山、西本願寺。ここには、季節のイベントや特別なVIPルームなど、全国から訪れる信徒を喜ばせるための作戦がありました。
図会は、都に来たらぜひ食べておきたい「京都グルメ」も紹介。「京都一の観光地」と称された寺の塔頭の一つが、料亭としてその伝統の味を受け継いでいました。芝翫さんは初夏の京料理を堪能。また、図会に「洛東名物大仏御餅所」と紹介されている、今も人気の京都スイーツとは?
また、図会には当時から愛されていた「京土産」も描かれています。上質な逸品の証「京都ブランド」はいかに確立されていったのでしょう?芝翫さんはそんな匠の技の一つ、「京扇子」作りを体験。
〝お伊勢参り〟が大ブームだった江戸時代、京都により観光客を集め、滞在してもらうために編み出された作戦は、実に多彩。エンターテインメントの充実や新名所開発など、古都を盛り上げるきっかけとなった様々な努力を巡る今回の旅。観光都市・京都の、新たな魅力が見えてきます。