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#34

比叡山 延暦寺 ~古都を守る母なる山~

京の北東にそびえ、遥かいにしえの時代から都を見守ってきた比叡山。そこには、平安時代の高僧、伝教大師最澄の開いた延暦寺があり、都人の心の拠り所となってきました。今回は、そんな比叡山と、この山にまつわる場所を訪ね、幾世紀に渡り紡がれてきた歴史と最澄の物語をひも解きます。
まずは延暦寺の中心的な建物、根本中堂へ。そこで目にすることが出来るのは、最澄自ら火を灯したという「不滅の法灯」。なんと1200年以上に渡り、比叡山の僧侶たちが火を絶やすことなく守り続けてきたのです。この灯火(ともしび)には、最澄が伝えたかった仏の教えが秘められていました。
大講堂の中には、延暦寺ゆかりの僧侶たちの像が並びます。法然、親鸞、栄西、道元、日蓮…日本の仏教史に欠かすことの出来ない名高い僧侶たちが、次々とこの寺から生まれた理由とは。
そして山深い場所に建つ元三大師堂は、私たちにとって馴染み深い「おみくじ」の起源が伝わる場所。現在私達がイメージするものとは全く違ったおみくじ本来の姿に出会います。
比叡山の麓にある由緒ある神社「日吉大社」。ここには、若き日の最澄が、己の修業の場を比叡山と定め、この地に寺を開くことにした理由がありました。
そんな比叡山では、今なお沢山の僧侶たちが、日々厳しい修行に励んでいます。ここで行われている修行とはどんなものなのか。芝翫さんもその一端を少し体験してみることに。さらに、比叡山で最も厳しい修行、「千日回峰行」の想像を絶する内容とは?
また、京の町の中にも、比叡山ゆかりの場所が数多くあります。その中の一つが「三友居(さんゆうきょ)」。茶懐石の名店と比叡山には、意外な繋がりがありました。また京都のお土産として人気の「阿闍梨餅」にもまた比叡山にまつわる物語が秘められていました。
長きに渡り古都を見守ってきた比叡山…この地に伝わる仏の教えと、最澄の物語、そして都人との意外な繋がりが明らかになります。