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#33

~古都のお盆~ 極楽・平等院から地獄の寺

亡くなったご先祖様が極楽浄土から帰ってくる季節「お盆」。では、その「極楽浄土」とは一体どんな場所なのでしょうか? 逆に、悪い行いをすると送られる「地獄」とは? 知られざる「あの世」の世界に迫るため、ゆかりの深い寺院を訪ねます。
宇治川のほとりに建つ「平等院」。寺院の中心にある阿弥陀堂、別名「鳳凰堂」と呼ばれる美しい建物は、藤原道長の息子・藤原頼通がこの世に造った「極楽浄土」でした。栄華を極めた藤原氏が天上世界に憧れた理由とは?
そんな貴族が生きた平安の世はどんな時代だったのでしょうか。「源氏物語ミュージアム」で華やかな暮らしを垣間見ます。さらに、「源氏物語」の重要な場面に出てくる人物のモデルとなったのが、地獄・極楽の考え方を世に広めた「源信」(げんしん)という名の僧だということを知ります。
そんな源信の影響によって浄土宗を開いたのが法然上人(ほうねんしょうにん)。浄土宗の総本山「知恩院」(ちおんいん)を訪ねて、源信がまとめあげた“あの世”のバイブル「往生要集」(おうじょうようしゅう)をひも解きます。
東山に構える「六道珍皇寺」(ろくどうちんのうじ)では、地獄に通じる「冥途(めいど)通いの井戸」と、この世に戻ってくる時に使った 「黄泉(よみ)がえりの井戸」を拝見。さらには、誰もがその名を知る「えんま様」の正体を解き明かし、えんま様によって裁かれた結果落ちる地獄を描いた本当の「地獄絵図」も見せていただきます。
「即成院(そくじょういん)」は、道長の孫が「平等院」に引けを取らない極楽浄土を表現するために作った寺。ご本尊の阿弥陀如来と二十五菩薩像は、臨終した人を極楽へいざなおうと、楽器を奏でながら迎えに来る様子を表しています。
奈良との境にある木津川市にある「浄瑠璃寺」。ご本尊の九体阿弥陀如来には、9つの往生の段階が込められていました。またその境内に広がる「浄土式庭園」とは?
平安時代、源信が伝えた地獄・極楽の思想がどう広まり、日本人の共通認識となったのか、貴族がなぜそこまで極楽をめざしたのかその謎に迫ります。