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#29

上賀茂・下鴨神社 葵が語る都の始まり

京都に数多くある神社の中でも、最も長い歴史を刻んできたと言われる上賀茂神社と下鴨神社。創建は、どちらも京都に都が移される前だと伝わり、古都のはるかな歩みを見守ってきました。今回はそんな上賀茂神社と下鴨神社を訪ね、神社や都の始まりにまつわる神話やこの地が都となる前からの歴史、都人に愛される葵祭の物語をひも解きます。
まずは上賀茂神社へ。
訪れる人を迎える「二の鳥居」には、この神社と京都御所との関係を示すある秘密がありました。境内を流れる清らかな「ならの小川」では、平安貴族の風流を感じます。そして本殿へ…。祭られている賀茂別雷大神(かもわけいかずちのおおかみ)にまつわる物語は、京の街で古くから行われてきた祭り、「葵祭」の始まりと繋がっているのだとか。現在、平安貴族の姿で練り歩く姿が印象的な葵祭ですが、本来の姿はもっと違っていたといいます。境内で出会った葵祭の意外な本来の姿とは…。
そして鴨川と高瀬川、二つの流れが一つとなる場所に建つ下鴨神社。鳥居をくぐると現れるうっそうとした森には、この地に二つの神社が建てられた理由が秘められていました。そんな森の中に現れる美しい楼門。そこには天皇家とのつながりを示す「菊の御紋」が…。さらに、本殿にはなんと神社の紋章「双葉葵」と並んで、徳川家の家紋「三葉葵」が刻まれていました。上賀茂神社と下鴨神社は、天皇家のみならず、古くから源頼朝、足利義満、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった天下人たちの崇敬を集めてきたのです。今回は特別にそんな天下人と神社との繋がりを示す貴重な品を見せて頂きます。
また古くから大いに賑わった神社の門前で、今も続く老舗「下鴨茶寮」や、葵祭に欠かせない銘菓を頂ける「さるや」を訪ね、歴史ある味わいに舌鼓を打ちます。さらに、下鴨神社に務めた神職が暮らした社家(しゃけ)へ。格式高い神社に務める神職の暮らしぶりとは…。
古都のはるかな歴史を見つめてきた上賀茂神社と下鴨神社をめぐり、都の始まりとこの神社が天下人の崇敬を集めた理由をひも解きます。