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#18

雪の大原 紅葉の阿弥陀

紅葉の寺、雪に覆われたいにしえの里……今回は心癒される秋と冬の京都をめぐり、この時期にしか出会えない季節の風景をたっぷりとお見せします。
冬の京都は雪景色が美しいことでも知られます。それを感じられるのが、京都の北東、比叡山のふもとに位置する山里・大原。「方丈記」で知られる鎌倉前期の歌人・鴨長明(かものちょうめい)が都から移り住み、自らの心と向き合った場所でもあります。そんな地を代表する寺院が、平安時代に起源をさかのぼるという「三千院」。境内に広がる「苔むした庭」は、かつて昭和初期の作家・井上靖が「東洋の宝石箱」と絶賛した名所でもありました。京都の秋は景色だけではなく、豊かな自然にはぐくまれた旬の味覚も魅力的。天下人・豊臣秀吉も自ら東山に出向き採った伝わる「松茸」。絶品の松茸料理を味わいながら、はるかな時に思いをはせます。秋冬の名所と味を堪能しながら、都人が季節をどう楽しんだのかひも解いてきます。