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#17.18

都人たちが楽しむ四季

春夏秋冬、趣を変えるいにしえの都。今回は、そんな四季折々を、都で暮らす人々はどう楽しんできたのか、はるかな歴史とともにひも解く2時間スペシャル。
春は、咲き誇る「桜」に秘められた物語。訪ねるのは、数々の国宝を備える「醍醐寺(だいごじ)」です。この寺で蘇るのが、豊臣秀吉の面影。この世を去る半年前…人生最後の輝きのように盛大に開かれた花見。そこに秘められた強烈な想いとは?そして、京の町を南北につらぬく鴨川で綴られるのは、夏の物語。納涼床で出会う夏の喜びや、文人たちの名残。そして、夏の風物詩として愛される伝統の扇には、芝翫さん襲名との深い繋がりがありました。さらに、鴨川源流のひとつが湧き出る寺には、芝翫さんの演じた歌舞伎の演目の舞台があったのです。秋の紅葉の名所として知られるのが「永観堂(えいかんどう)」。平安貴族が愛でたその景色を、与謝野晶子は歌にしました。そんな寺の本尊は「みかえり阿弥陀」という異名を持つ仏。その姿に秘められた、奥深い慈悲の心とは?さらに、豊臣秀吉も味わったという旬の松茸も堪能します。そして、冬の京都といえば大原。鴨長明(かものちょうめい)をはじめとする、多くの人々が自らの心と向き合ったこの地に建つのが、平安時代に起源をもつという「三千院」。名高いその境内に広がる「苔むした庭」が伝える、冬ならではの趣とは? さらに、歴史をこえて絶賛される、あの清水寺の貴重な雪景色もご紹介します。うつろう季節を、都人たちはいかに楽しんだのか……折り重なる時のなかで生まれた、いにしえの風情を辿ります。