番組表
おすすめ情報
番組概要
松本清張 黒革の手帖
放送予定
「第1話」
銀行に勤めて10年、窓口係の原口元子(米倉涼子)は、手元を右から左へと無造作に流れていく大金と何の縁もない生活を送っている自分に空しさを感じていた。税金逃れのために何千万もの架空預金をする人間がいる一方、数百万円の預金だけを頼りに安アパートで暮らす自分がいる。
元子が金に復讐しようと思い始めたのは1年前のことだった。彼女は、銀行のトップシークレットである架空預金者のリストを愛用の黒革の手帖に記録する一方で、横領に手を染めていく。そして、その金額が1億2千万円に達した時、遂に、支店長の藤岡(小野武彦)や支店次長の村井(渡辺いっけい)の知るところとなってしまう…。
と同時に、元子は銀行から逃走。返済を求める藤岡らに、彼女は横領した金を1円たりとも返す気はないと答える。そのための保険が黒革の手帖だった。
元子は、横領を始めた頃から、銀座のクラブ『燭台』でホステス修業を積んでいた。銀座の一流クラブのママになるというのが元子の密かなる野望だったのだ。銀行から逃走した日、元子は『燭台』のママ・岩村叡子(山本陽子)に、「今日からは銀座だけで生きていく」と告げる。
数日後、元子を呼び出した藤岡らは、架空預金者のリストを渡す代わりに1億2千万は不問にするという元子の要求を渋々承知する。元子の最初の勝利だった。この日の夜、元子は『燭台』で、大物政治家の秘書・安島(中村トオル)と知り合う。
やがて、元子は小さいながらも銀座に念願の店を持つ。店の名は『カルネ』。フランス語で手帖を意味するこの店に、『燭台』時代に元子に関心を示した美容外科クリニックの楢林(小林稔侍)や、楢林が連れてきた大手進学予備校理事の橋田(柳葉敏郎)らが顔を見せるようになる。実は、楢林も橋田も、元子の架空預金者リストの一人だった。
やがて、楢林は、元子が『カルネ』のホステスとしてスカウトした波子(釈由美子)に入れ揚げ、ついには『カルネ』の上階の店を波子に買い与える。波子に勝ち誇ったような顔を向けられ、飼い犬に手を噛まれたような心境の元子は、波子を叩き潰そうと画策、楢林と長年愛人関係を続けている婦長の中岡市子(室井滋)に電話をかけるが…!?
元子が金に復讐しようと思い始めたのは1年前のことだった。彼女は、銀行のトップシークレットである架空預金者のリストを愛用の黒革の手帖に記録する一方で、横領に手を染めていく。そして、その金額が1億2千万円に達した時、遂に、支店長の藤岡(小野武彦)や支店次長の村井(渡辺いっけい)の知るところとなってしまう…。
と同時に、元子は銀行から逃走。返済を求める藤岡らに、彼女は横領した金を1円たりとも返す気はないと答える。そのための保険が黒革の手帖だった。
元子は、横領を始めた頃から、銀座のクラブ『燭台』でホステス修業を積んでいた。銀座の一流クラブのママになるというのが元子の密かなる野望だったのだ。銀行から逃走した日、元子は『燭台』のママ・岩村叡子(山本陽子)に、「今日からは銀座だけで生きていく」と告げる。
数日後、元子を呼び出した藤岡らは、架空預金者のリストを渡す代わりに1億2千万は不問にするという元子の要求を渋々承知する。元子の最初の勝利だった。この日の夜、元子は『燭台』で、大物政治家の秘書・安島(中村トオル)と知り合う。
やがて、元子は小さいながらも銀座に念願の店を持つ。店の名は『カルネ』。フランス語で手帖を意味するこの店に、『燭台』時代に元子に関心を示した美容外科クリニックの楢林(小林稔侍)や、楢林が連れてきた大手進学予備校理事の橋田(柳葉敏郎)らが顔を見せるようになる。実は、楢林も橋田も、元子の架空預金者リストの一人だった。
やがて、楢林は、元子が『カルネ』のホステスとしてスカウトした波子(釈由美子)に入れ揚げ、ついには『カルネ』の上階の店を波子に買い与える。波子に勝ち誇ったような顔を向けられ、飼い犬に手を噛まれたような心境の元子は、波子を叩き潰そうと画策、楢林と長年愛人関係を続けている婦長の中岡市子(室井滋)に電話をかけるが…!?
【出演】米倉涼子、仲村トオル、釈由美子、室井滋、紫吹淳、渡辺いっけい、小野武彦、山本陽子(特別出演)、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
「第2話」
銀座のクラブ『カルネ』のママ・原口元子(米倉涼子)は、楢林美容外科クリニックの婦長であり、楢林の長年の愛人である中岡市子(室井滋)のもとに電話を入れ、店のホステス・波子(釈由美子)が楢林院長(小林稔侍)をたらし込んで2億円もの金を貢がせていることを告げた。
波子は楢林に貢がせた金で、『カルネ』の上階に自分の店を開こうとしている。楢林院長を自分の客だと信じて疑わなかった元子にとって、これは手酷い裏切りであり、絶対に許せない出来事だった。波子などという小娘は叩き潰さなくてはならない。元子の決意は固かった。
元子は楢林の愛人である市子に対し、あくまで下手に出て、波子の行為を詫び、一度是非お会いしたいと告げる。市子の嫉妬を煽り、楢林と波子の仲を裂くように仕向けなければならない。元子は波子に激怒しながらも、したたかな計算を働かせていた。
市子に会った元子は、楢林と波子の仲を中傷し、いかに市子が楢林のクリニック発展に貢献したかをオーバーに褒め上げ、彼女の自尊心をくすぐった。そして、何かあったら力になりますと、市子の信頼を得ることにつとめた。
その夜、医科進学ゼミナール理事長の橋田(柳葉敏郎)が『カルネ』に現れる。橋田は、彼が呼び寄せた議員秘書の安島(仲村トオル)相手に、あたかも元子が自分の女であるかのように振舞うのだった。
一方、元子から波子のことを吹き込まれた市子は、楢林と別れる決意を固める。そんな市子に元子は、二十年も楢林に尽くしてきたのだから慰謝料を貰って当然だと唆し、自分が楢林に交渉してあげると告げる。そして、そのためには楢林美容外科クリニックの裏帳簿が必要だから見せてほしいと市子に頼んだ。
元子が楢林から出させると市子に約束した金額は1千万だった。だが、元子は自分のためにさらに多額の金を楢林から引き出そうと甘い罠を仕掛けるが…。
波子は楢林に貢がせた金で、『カルネ』の上階に自分の店を開こうとしている。楢林院長を自分の客だと信じて疑わなかった元子にとって、これは手酷い裏切りであり、絶対に許せない出来事だった。波子などという小娘は叩き潰さなくてはならない。元子の決意は固かった。
元子は楢林の愛人である市子に対し、あくまで下手に出て、波子の行為を詫び、一度是非お会いしたいと告げる。市子の嫉妬を煽り、楢林と波子の仲を裂くように仕向けなければならない。元子は波子に激怒しながらも、したたかな計算を働かせていた。
市子に会った元子は、楢林と波子の仲を中傷し、いかに市子が楢林のクリニック発展に貢献したかをオーバーに褒め上げ、彼女の自尊心をくすぐった。そして、何かあったら力になりますと、市子の信頼を得ることにつとめた。
その夜、医科進学ゼミナール理事長の橋田(柳葉敏郎)が『カルネ』に現れる。橋田は、彼が呼び寄せた議員秘書の安島(仲村トオル)相手に、あたかも元子が自分の女であるかのように振舞うのだった。
一方、元子から波子のことを吹き込まれた市子は、楢林と別れる決意を固める。そんな市子に元子は、二十年も楢林に尽くしてきたのだから慰謝料を貰って当然だと唆し、自分が楢林に交渉してあげると告げる。そして、そのためには楢林美容外科クリニックの裏帳簿が必要だから見せてほしいと市子に頼んだ。
元子が楢林から出させると市子に約束した金額は1千万だった。だが、元子は自分のためにさらに多額の金を楢林から引き出そうと甘い罠を仕掛けるが…。
【出演】米倉涼子、仲村トオル、釈由美子、室井滋、紫吹淳、小野武彦、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
「第3話」
元子(米倉涼子)の店に、彼女の銀行員時代の上司だった藤岡(小野武彦)が顔を出す。藤岡は、元子の1億2千万もの横領がきっかけで、今は 関連会社に左遷されていた。藤岡は恨み言を口にしながら元子に掴みかかってくるが、そこに顔を出した議員秘書の安島(仲村トオル)に組み伏せられてしまう。藤岡がすごすご退散した後、安島は元子の過去をしきりに聞きたがった。自分に関心があるとわかり、元子の心は揺れる。
その安島は、自分が仕えていた代議士が病死したことから、次期選挙に出馬しようと画策していた。彼のバックには総会屋の長谷川(津川雅彦)がついていて、資金の面倒を見ていたのだった。
数日後、美容外科クリニックの楢林院長(小林稔侍)と会った元子は、5千万円を受け取った。黒革の手帳を利用し、楢林を罠にはめて脅し取ったも同然の金だったが、元子に罪の意識はなかった。
元子は、この金の中から1千万円を、楢林からの退職金だといってクリニックを辞めた市子(室井滋)に渡し、この金で喫茶店でも開いたらと、親切風に勧めたのだった。
だが、喫茶店用の物件まで元子が世話したにもかかわらず、市子は迷っていた。楢林との二十年にも及ぶ関係は、そう簡単に断てそうにもなかった。
医科進学ゼミ理事長の橋田(柳葉敏郎)は、相変わらず元子に執着心を燃やし、『カルネ』よりもっと大きな店を持たせてやるといってくる。銀座一のクラブ『ロダン』が売りに出ているというのだ。だが、店を買ってやるということは、同時に元子も手に入れようということだった。元子は男の言いなりになる気などさらさらない。逆に、橋田の弱味を握って彼から金を吐き出させることを考えていた。
そんな中、元子がママを務めるクラブ『カルネ』に、澄江(吉岡美穂)がホステスとして働きたいとやってくる。そこに、パトロンの楢林が開店資金に必要な金をなかなか渡してくれないことに苛立っていた波子(釈由美子)が突然現れ、怒りの矛先を元子に向け、『カルネ』に怒鳴り込んでくる!
その安島は、自分が仕えていた代議士が病死したことから、次期選挙に出馬しようと画策していた。彼のバックには総会屋の長谷川(津川雅彦)がついていて、資金の面倒を見ていたのだった。
数日後、美容外科クリニックの楢林院長(小林稔侍)と会った元子は、5千万円を受け取った。黒革の手帳を利用し、楢林を罠にはめて脅し取ったも同然の金だったが、元子に罪の意識はなかった。
元子は、この金の中から1千万円を、楢林からの退職金だといってクリニックを辞めた市子(室井滋)に渡し、この金で喫茶店でも開いたらと、親切風に勧めたのだった。
だが、喫茶店用の物件まで元子が世話したにもかかわらず、市子は迷っていた。楢林との二十年にも及ぶ関係は、そう簡単に断てそうにもなかった。
医科進学ゼミ理事長の橋田(柳葉敏郎)は、相変わらず元子に執着心を燃やし、『カルネ』よりもっと大きな店を持たせてやるといってくる。銀座一のクラブ『ロダン』が売りに出ているというのだ。だが、店を買ってやるということは、同時に元子も手に入れようということだった。元子は男の言いなりになる気などさらさらない。逆に、橋田の弱味を握って彼から金を吐き出させることを考えていた。
そんな中、元子がママを務めるクラブ『カルネ』に、澄江(吉岡美穂)がホステスとして働きたいとやってくる。そこに、パトロンの楢林が開店資金に必要な金をなかなか渡してくれないことに苛立っていた波子(釈由美子)が突然現れ、怒りの矛先を元子に向け、『カルネ』に怒鳴り込んでくる!
【出演】米倉涼子、仲村トオル、釈由美子、室井滋、紫吹淳、吉岡美穂、小野武彦、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
「第4話」
元子(米倉涼子)は、『カルネ』の客・安島(仲村トオル)と一夜をともにする。だが、これは安島に過去を知られたことに対する口止めの意味であり、私は一生誰も愛さないと元子は言い切る。元子の本心であり、同時に安島に惹かれていく自分への決別の言葉でもあった。
だが、安島は諦めない。選挙に出馬するための事務所開きの忙しさの合間を縫って元子に連絡をとろうとするが、彼女は電話に出ようとはしなかった。
一方、医科進学ゼミナール理事長の橋田(柳葉敏郎)は相変わらず元子に執着していた。そんな橋田を元子は冷めた目で見ていた。だが、元料亭『梅村』の仲居だったホステスの澄江(吉岡美穂)から聞かされた、橋田が『梅村』を買い取ったらしいという情報には興味があった。登記所に行って『梅村』の謄本をとってみると、確かに所有者は橋田に変更されていた。
元子の心は躍った。橋田の弱味を握って『梅村』を取り上げる。そしてそれを売り払って、銀座一といわれるクラブ『ロダン』を買い取ればいい。そのためには、橋田を強請る材料として、医大への裏口入学斡旋の証拠を掴まなければならない。元子は証拠を手に入れるため、澄江を利用しようと計画を練り始める。
そのころ、波子(釈由美子)は楢林(小林稔侍)から与えられたマンションを追われようとしていた。波子を立ち退かせるためにやってきた不動産会社の社員は、皮肉にも元子のために銀行の職を失った村井(渡辺いっけい)だった。
全てを失った波子は、総会屋の長谷川(津川雅彦)にすがった。波子は長谷川に、楢林のひどい仕打ち、その要因となった元子のことを訴えていたが…。
だが、安島は諦めない。選挙に出馬するための事務所開きの忙しさの合間を縫って元子に連絡をとろうとするが、彼女は電話に出ようとはしなかった。
一方、医科進学ゼミナール理事長の橋田(柳葉敏郎)は相変わらず元子に執着していた。そんな橋田を元子は冷めた目で見ていた。だが、元料亭『梅村』の仲居だったホステスの澄江(吉岡美穂)から聞かされた、橋田が『梅村』を買い取ったらしいという情報には興味があった。登記所に行って『梅村』の謄本をとってみると、確かに所有者は橋田に変更されていた。
元子の心は躍った。橋田の弱味を握って『梅村』を取り上げる。そしてそれを売り払って、銀座一といわれるクラブ『ロダン』を買い取ればいい。そのためには、橋田を強請る材料として、医大への裏口入学斡旋の証拠を掴まなければならない。元子は証拠を手に入れるため、澄江を利用しようと計画を練り始める。
そのころ、波子(釈由美子)は楢林(小林稔侍)から与えられたマンションを追われようとしていた。波子を立ち退かせるためにやってきた不動産会社の社員は、皮肉にも元子のために銀行の職を失った村井(渡辺いっけい)だった。
全てを失った波子は、総会屋の長谷川(津川雅彦)にすがった。波子は長谷川に、楢林のひどい仕打ち、その要因となった元子のことを訴えていたが…。
【出演】米倉涼子、仲村トオル、釈由美子、室井滋、紫吹淳、渡辺いっけい、吉岡美穂、小野武彦、山本陽子(特別出演)、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
「第5話」
店のホステス・澄江(吉岡美穂)に因果を含めて医科進学ゼミナールの理事長・橋田(柳葉敏郎)のもとに送り込んだ元子(米倉涼子)は、橋田が裏口入学を周旋している証拠の書類を手に入れた。
しかし、それを突きつけられた橋田は「偽の書類だ」と笑い飛ばす。澄江が金に転んで元子を裏切り、ニセモノを元子に渡したというのだ。だが、元子は動じなかった。偶然、橋田と澄江がタクシーの中でいちゃついているのを目撃した元子は、その夜、澄江を問い詰め、全てを白状させた。そして、橋田が店を持たせることを条件に澄江を味方につけたと知ると、男に金を出してもらっていては、一生男の犠牲になるだけだ、自分の金を出してこそ初めて自立できると説いたのだった。
元子にはもう一つ切り札があった。それは彼女が銀行員時代に書きとめた橋田の隠し口座の記録だった。橋田はそれ以上抵抗できなかった。隠し口座を税務署にでも持ち込まれたら、それだけで破滅してしまう。橋田は、料亭『梅村』を元子に譲る旨の念書を書かざるを得なかった。
ついに元子は『梅村』の転売利益を見込み、長谷川(津川雅彦)から銀座の超一流クラブ『ロダン』を買いとった。手付金を渡し、二億円余の残金は1ヵ月後に払うということで話はついた。ただし、契約を解除する場合は八千四百万円の違約金を払うという条件がついていた。
元子は、『カルネ』のホステスたちに、『ロダン』を買い取ったことを告げた。元子は、また一段ステップを登ったという高揚感にあふれていた。
そんな中、『カルネ』に安島(仲村トオル)が現れ、結婚することになったと告げる。議員になるための政略結婚だと、安島は自嘲的に呟く。元子の胸に一瞬痛みが走るが、彼女自身も後戻りはできなかった。
しかし、それを突きつけられた橋田は「偽の書類だ」と笑い飛ばす。澄江が金に転んで元子を裏切り、ニセモノを元子に渡したというのだ。だが、元子は動じなかった。偶然、橋田と澄江がタクシーの中でいちゃついているのを目撃した元子は、その夜、澄江を問い詰め、全てを白状させた。そして、橋田が店を持たせることを条件に澄江を味方につけたと知ると、男に金を出してもらっていては、一生男の犠牲になるだけだ、自分の金を出してこそ初めて自立できると説いたのだった。
元子にはもう一つ切り札があった。それは彼女が銀行員時代に書きとめた橋田の隠し口座の記録だった。橋田はそれ以上抵抗できなかった。隠し口座を税務署にでも持ち込まれたら、それだけで破滅してしまう。橋田は、料亭『梅村』を元子に譲る旨の念書を書かざるを得なかった。
ついに元子は『梅村』の転売利益を見込み、長谷川(津川雅彦)から銀座の超一流クラブ『ロダン』を買いとった。手付金を渡し、二億円余の残金は1ヵ月後に払うということで話はついた。ただし、契約を解除する場合は八千四百万円の違約金を払うという条件がついていた。
元子は、『カルネ』のホステスたちに、『ロダン』を買い取ったことを告げた。元子は、また一段ステップを登ったという高揚感にあふれていた。
そんな中、『カルネ』に安島(仲村トオル)が現れ、結婚することになったと告げる。議員になるための政略結婚だと、安島は自嘲的に呟く。元子の胸に一瞬痛みが走るが、彼女自身も後戻りはできなかった。
【出演】米倉涼子、仲村トオル、室井滋、紫吹淳、渡辺いっけい、吉岡美穂、小野武彦、山本陽子(特別出演)、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
「第6話」
元子(米倉涼子)が新装オープンさせた『ロダン』に、波子(釈由美子)が客としてやってくる。波子は元子や店のホステスたちに散々嫌味を述べ立てて元子をいら立たせる。
翌日、元子は京都に向かった。京都に一人住む母親が倒れ、病院に運ばれたのだ。元子が母親に会うのは十年ぶりのことだった。だが、その母は昏睡状態で元子が来たこともわからない。元子も意識のない母を無感動に見詰めていた。
そんな中、元子は婚約者と連れ立っている安島(仲村トオル)と偶然再会する。
その日、元子の携帯電話が鳴った。安島からで、会ってほしいと時間と場所だけを一方的に告げて電話は切られた。元子の足は、自然に約束の場所に向かっていた。つかの間の抱擁。だがそれはお互いの別れを確認するためのものだった。「僕たちは似すぎているんだ。いつか傷つけあうことになる」。それが安島の別れの言葉だった。
東京に戻った元子は、不動産屋から料亭『梅村』の土地は元子の所有にはなっていないと告げられる。元々、橋田(柳葉敏郎)の所有していた土地ではないというのだ。もしこの土地が自分のものにならなければ、長谷川(津川雅彦)に残金二億円余を払うことはできない。そして、契約を解除するためには八千四百万の違約金を払わなくてはならない。どちらにしても、元子にはそのような金はもう残ってはいなかった。
翌日、元子は京都に向かった。京都に一人住む母親が倒れ、病院に運ばれたのだ。元子が母親に会うのは十年ぶりのことだった。だが、その母は昏睡状態で元子が来たこともわからない。元子も意識のない母を無感動に見詰めていた。
そんな中、元子は婚約者と連れ立っている安島(仲村トオル)と偶然再会する。
その日、元子の携帯電話が鳴った。安島からで、会ってほしいと時間と場所だけを一方的に告げて電話は切られた。元子の足は、自然に約束の場所に向かっていた。つかの間の抱擁。だがそれはお互いの別れを確認するためのものだった。「僕たちは似すぎているんだ。いつか傷つけあうことになる」。それが安島の別れの言葉だった。
東京に戻った元子は、不動産屋から料亭『梅村』の土地は元子の所有にはなっていないと告げられる。元々、橋田(柳葉敏郎)の所有していた土地ではないというのだ。もしこの土地が自分のものにならなければ、長谷川(津川雅彦)に残金二億円余を払うことはできない。そして、契約を解除するためには八千四百万の違約金を払わなくてはならない。どちらにしても、元子にはそのような金はもう残ってはいなかった。
【出演】米倉涼子、仲村トオル、釈由美子、室井滋、紫吹淳、渡辺いっけい、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
「第7話」
元子(米倉涼子)は追い詰められていた。長谷川(津川雅彦)に『ロダン』の残金2億円を払うどころか、解約の違約金8千4百万円を払うこともできなかった。
安島(仲村トオル)が長谷川の使いとして、屈辱的な伝言を伝えてきたことも元子にとってショックだった。
元子は自分の着物や装飾品を叩き売ってまで金を作ろうとするが、とても足りるような額にはならない。
そんな中、『ロダン』のマネジャーが売掛金を持ち逃げしてしまう。店のホステスへの給料の支払いにも困った元子は、『燭台』のママ・叡子(山本陽子)に借金を申し込むが相手にしてもらえない。「あなたは銀座のルールを破った女だ」というのが叡子の元子への決別の言葉だった。
元子は、長谷川のもとに出向き、返済期限を延ばしてほしいとたのむ。長谷川は、そんな元子に自分の女になれと仄めかす。そうすれば銀座で楽に生きていかれると長谷川は言う。だが、元子の自尊心はそれを許さない。
八方塞の元子は、ついに『ロダン』を手放すはめとなってしまった。1億2千万円の金を持って銀座に乗り込んできた元子にとって、『ロダン』は成功の証だった。だが、今残っているのは膨大な借金だけだった。今まで自分は何をしてきたのだろう。空しさだけが残った。
そんな元子に、さらなる屈辱が襲いかかる。『ロダン』の新しいママとして波子(釈由美子)が現れたのだ。
店を手放した元子は借金の取り立て屋につきまとわれる。長谷川を敵に回した元子の運命は、そして安島との関係は!?
安島(仲村トオル)が長谷川の使いとして、屈辱的な伝言を伝えてきたことも元子にとってショックだった。
元子は自分の着物や装飾品を叩き売ってまで金を作ろうとするが、とても足りるような額にはならない。
そんな中、『ロダン』のマネジャーが売掛金を持ち逃げしてしまう。店のホステスへの給料の支払いにも困った元子は、『燭台』のママ・叡子(山本陽子)に借金を申し込むが相手にしてもらえない。「あなたは銀座のルールを破った女だ」というのが叡子の元子への決別の言葉だった。
元子は、長谷川のもとに出向き、返済期限を延ばしてほしいとたのむ。長谷川は、そんな元子に自分の女になれと仄めかす。そうすれば銀座で楽に生きていかれると長谷川は言う。だが、元子の自尊心はそれを許さない。
八方塞の元子は、ついに『ロダン』を手放すはめとなってしまった。1億2千万円の金を持って銀座に乗り込んできた元子にとって、『ロダン』は成功の証だった。だが、今残っているのは膨大な借金だけだった。今まで自分は何をしてきたのだろう。空しさだけが残った。
そんな元子に、さらなる屈辱が襲いかかる。『ロダン』の新しいママとして波子(釈由美子)が現れたのだ。
店を手放した元子は借金の取り立て屋につきまとわれる。長谷川を敵に回した元子の運命は、そして安島との関係は!?
【出演】米倉涼子、仲村トオル、釈由美子、室井滋、紫吹淳、渡辺いっけい、山本陽子(特別出演)、柳葉敏郎(友情出演)、津川雅彦、小林稔侍
この番組は「BS朝日4Kチャンネル」では4Kリマスター映像でご覧頂けます。
大人気作品 松本清張 黒革の手帖を4Kリマスターで一挙放送!
夜の銀座は野望と愛欲が渦巻く世界。
1億2千万円を横領した女子銀行員。
彼女の武器は一冊の“黒革の手帖”。
この手帖が彼女に大金をもたらし、また愛憎を生み出していく。
地味なOLから一転、夜の蝶に華麗に変身する主人公・原口元子を演じるのは米倉涼子。
銀座という世の女性の憧れの町、建ち並ぶブランド店、夜を彩るきらびやかなネオン。
そうしたファッショナブルなステージの上で、米倉涼子演じるクラブのママと火花を散らす豪華な美しい女優陣にも注目!!
また、着物、ドレスなど派手なコスチュームもみどころの一つ。
“悪女”を中心に展開するドラマチックなストーリー、周りを彩る強靭なキャラクターなど、みどころ満載の内容となっている。
12月18日(月)よる7:00~8:00、よる8:00~8:54
12月19日(火)よる6:00~7:00、よる7:00~8:00、よる8:00~9:00
12月20日(水)よる6:00~7:00、よる7:00~8:00