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#86

「讃酒歌」 (埼玉県 秩父)

白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり

明治から大正・昭和にかけて国民歌人として親しまれた若山牧水。「漂白の歌人」と呼ばれ、北海道から沖縄まで、短歌を詠みながらの旅に明け暮れていました。また一方では「酒仙の歌人」と呼ばれるほどの酒好きで、酒を題材にした歌も多く残しています。秋の夜長のひとり酒は、寂しさを癒してくれるのか、それとも孤独を深めるのか。漂泊の歌人は静かに酒を呑みながら、何を思っていたのでしょう・・・。