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#72

「城ケ島の雨」 (神奈川県 城ケ島)

雨は降る降る城ケ島の磯に 利休鼠の雨が降る

三浦半島の突端に位置する城ケ島。大正のはじめ、不幸な恋愛事件を起こし失意の中にあった北原白秋は、この地に移り住みました。城ケ島に降る雨を「利休鼠」という伝統色で表現し、自らの陰鬱な心情を託しました。この歌をきっかけに、白秋は再び表舞台へと戻っていきます。恵みの雨、慈しみの雨です。