相根昭典さんは健康住宅やエコ住宅という言葉が一般的でなかった３０年ほど前から、自然と共生する住まいを追求してきたパイオニアです。日本の森の荒廃をくいとめようと、木材の産地の人たちとつながり、国産の杉の木をたっぷりと使った住宅を設計し続けてきました。例えば、２０年以上前から関係を深めてきた宮城県・栗駒山の森林では、地元の人たちと共に、植林の杉が乱伐された場所に再び杉の苗を植えています。また杉材を４０～６０℃の煙でいぶし、一般的な高温乾燥よりも強度を保つ加工や、大工の手仕事を現地に依頼することで、衰退した林業や日本の伝統構法を守ろうとしています。目指すのはデザインが良いだけではなく、夏涼しく冬暖かく一年を通じて快適に過ごせて、３００年以上住み続けられる家。そのために、廃棄物であるホタテの貝殻を利用したしっくい壁や、羊毛の断熱材も使って、住宅の湿度調整を効果的に行っています。森や自然を愛し、「建築を生業にする者として社会を変えていきたい」と言う相根さんの、ゆるぎない信念を追います。

★相根さんの仕事をもっと知るには・・・
https://ambiex.jp