放送内容

#88

傘修理人 山口佳彦

「他の修理店で断られたけど、ここなら直してくれると聞いて」と、客足が絶たない傘修理専門店・傘地蔵。店主の山口佳彦(37)は、どんな傘をも蘇らせる傘の修理職人。山口ひとりで一日20~30本の傘修理を行う。普通なら1時間ほどかかる修理を山口は10分で仕上げるという。その秘訣は、年間5千本の傘修理を請け負って身に付いた手際と、メーカーや製造時期によって様々な違いがあるパーツを瞬時に見分ける判断速度にある。
実は、傘は骨組みの移り変わりが早い。10年間で累計4万本以上の傘を直してきた今でも、初めて見る構造に出合うことは珍しくないというが、そんな時こそ山口の強みが発揮される。「どういう構造なのか」「なぜここが壊れたのか」と傘の構造を深く理解し、原因を追究していく。
この傘を長く、大事に使いたいというお客さんの想いに応えるべく、目の前の傘と向き合い続ける職人に密着した。