放送内容

#76

特殊造形・メイクアーティスト 百武朋

映画やドラマにおける非現実的な生き物や、怪我などの特殊メイク。そのクオリティは映像作品そのものの良し悪しに影響する。その制作現場で高度な造形・メイク技術を駆使し、数々の作品を支えてきたのが、特殊造形・メイクアーティスト百武朋(52)。活動範囲は映画・ドラマの映像作品のみならず、お化け屋敷の人形や舞台美術など多岐にわたる。
 
美術関係の仕事をしていた母の影響で、絵や工作が身近だった百武は、粘土で怪獣を作って遊ぶ少年だった。高校生の頃、映画やドラマに映し出される特殊造形・特殊メイクの世界に魅せられ、卒業後に専門学校へ入学。在学中からアシスタントとして現場へ駆り出され、造形とメイクの腕を磨いた。卒業後は就職せず独立。ドラマやバラエティなどテレビの制作を中心に活動していた。そして30代に差し掛かった時、映画「CASSHERN」への参加をきっかけに、実力と人脈が業界内へ広がり、主戦場を映画へ転換。「どろろ」「シン・ゴジラ」などのヒット作へ携わることとなった。
 
作品を手掛ける際は、リアルさに加え、美しいと感じさせるポイントを作れるかも意識。映像・画像・造形物、どのジャンルにおいても、「美」は見る人を没頭させる鍵だと語る。「リアリズム」と「美」を追求し、心惹かれる作品を作り続ける百武に密着した。