放送内容

#56

陶芸家・四代 諏訪蘇山

三代諏訪蘇山を父に、塗師の十二代中村宗哲を母に持つ、四代 諏訪蘇山(53)。
初代 諏訪蘇山は、中国・南宋時代の龍泉窯で作られていた最上品「砧青磁」を、高い技術で再現したことで知られる。以来、美しい青磁の制作技術は諏訪家で継承されてきた。
今、四代は、伝統的な青磁以外にも、ピンクや黄色が混じる「練込青磁」や、自身が好む宇宙や星をモチーフにした茶碗を手掛けるなど、初代以来の作風を守りながら現代らしい作品を生み出し続けている。
 
初代の青磁は、その美しい釉色に加え、精緻な装飾にも特徴があるが、制作には石膏型が用いられていた。幸いにもその型が多く残されている。四代諏訪蘇山は、残された型を複製するため、京都工芸繊維大学KYOTO Design Labと協働。三次元測量をおこない、欠損や亀裂などの損傷をデジタルデータ上で補修をおこない石膏型の複製をつくり、デジタルファブリケーション技術を活かして再現品の制作に取り組んでいる。
果たしてそこから見えてきたものとは。
独自の世界観を展開し、陶芸に向き合い続ける蘇山の日々を追った。