放送内容

#34

帝京大学 先端総合研究機構教授/生物心理学者 岡ノ谷一夫

科学技術は急激に発展しているが、未だ人類が解明できない謎がある。
「自分に心があるように、他の生き物にも“心”があるのか!?」
 
この大いなる謎に、人生をかけて挑む男がいる。
帝京大学先端総合研究機構教授・岡ノ谷一夫、63歳。
岡ノ谷はジュウシマツのさえずりに、「文法」が存在することを発見。
ジュウシマツは、その文法を使って鳴き方を変化させ、求愛コミュニケーションを図っている。そして、このようなさえずりは、親や他のジュウシマツから学んで自分独自の組み合わせを作っていることを突き止めた。
 
そして、ラットには「心地良い鳴き声」を聴かせると動きが活発になり、「不快な鳴き声」を聴かせると、固まって動かなくなる行動原理がある。
岡ノ谷は、ラットが仲間が出す鳴き声と同じ感情を共有していることを見出した。
ラット同士は音声で感情のコミュニケーションをしているのだ。
 
このように、動物も他の心を理解する能力やコミュニケーション能力が備わっており、何らかの形で“心”が存在することが予想される。
 
これを人間の思考や感情を司る脳の動きのデータと組み合わせていくことによって、“なぜ自分には心があるのか”、 “自分以外の動物にはどのような心があるのか”を突き止められるのではと日々探求し続けています。
 
未だ人類が解明し切れていない大いなる謎“心”の解明に挑む大学教授の挑戦の日々に密着した。