放送内容

#27

チェリスト 宮田大

2009年、世界のチェロ奏者の登竜門、ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人としてはじめて優勝を果たした、宮田大(36歳)。
これまで、参加したすべてのコンクールで優勝。その圧倒的な演奏は、作曲家や共演者から厚く支持されており、世界的指揮者・小澤征爾にも絶賛されている。
チェリストの父、ヴァイオリニストの母をもつ宮田は、桐朋学園大を経て、スイス・ジュネーブ音楽院に留学後、2013年にはドイツ・クロンベルクアカデミーを修了した。
これまでに国内の主要オーケストラはもとより、パリ管弦楽団、ロシア国立交響楽団、ハンガリー放送交響楽団、S.K.ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。昨年はヨーロッパのクラシック界における権威のある賞の一つ、OPUS KLASSIK賞を受賞するなど国際的な評価をさらに高めており、各地での公演は完売が相次いでいる。
そんな宮田がコンサートで大切にしていること。それは、五感。季節や会場の規模、その日の気温や湿度等、それぞれの要素がすべてチェロの音色に影響する。そのためコンサート当日は開演5時間以上前に会場入りし、1時間半かけてチェロと向き合い状態をたしかめる。
現在、ベストパートナーというべきピアニスト、ジュリアン・ジェルネと全国ツアーを行っている宮田。ファイナル公演となるのが、八ヶ岳コンサートだ。舞台は標高1500mにあるわずか250席の音楽堂。前日に八ヶ岳に入り、入念に自然と調和しようと試みる宮田。果たしてこの音楽堂でどんな音色を響かせるのか。