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#61

西本願寺(京都府)・青岸渡寺(和歌山県)・南禅寺(京都府)

「西本願寺」(京都府)

 

西本願寺(京都府)は、「お西さん」と親しまれる浄土真宗本願寺派の本山。五木さんが訪れた時、国宝御影堂は宗祖親鸞聖人750回忌に向けての大改修工事が行われていました。
黒漆塗りに極彩色彫刻の唐門や、華麗な障壁画や襖絵に彩られた書院を始めとするいくつもの国宝にも、屋根瓦一枚一枚にも門徒たちの篤い心が込められています。滴翠園と呼ばれる日本庭園には、金閣・銀閣に並び称される京都三閣の一つ国宝飛雲閣が、その美しい姿を池の水面に姿を映します。

  


 

「青岸渡寺」(和歌山県)

 

世界遺産「熊野古道」の一角に佇む青岸渡寺(和歌山県)。境内からは名瀑「那智の滝」を一望できます。西国三十三所巡礼の第一番札所でもあり、古来、参拝者が後を絶ちません。かつて、寺の南に広がる熊野灘の彼方には観音菩薩の浄土、補陀落山があると信じられ、釘打ちされた棺のような小船に乗って、死を覚悟して船出して行った僧たちがいました。「補陀落渡海」です。五木さんはその出発点に立ち、渡海にまつわるドラマに思いを馳せます。

  


 

「南禅寺」(京都府)

 

東山三十六峰の麓に立つ南禅寺(京都府)。室町幕府により禅宗の最高位「五山之上」とされました。豪壮な三門の楼上は一般に公開され、歌舞伎「楼門五三桐」で石川五右衛門が「絶景かな 絶景かな」と見得を切る舞台として有名です。三門奥の法堂から棟続きで立つ方丈は国宝。狩野派が多数の金碧障壁画を描きました。徳川に庇護されたため、明治の廃仏毀釈で廃寺寸前に追い詰められましたが、寺は今、堂々たる伽藍を構えて参拝者を迎えています。