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#50

「大山寺」(鳥取県) 「久遠寺」(山梨県)

「大山寺」(鳥取県)

富士に似た山容から「伯耆(ほうき)富士」とも呼ばれる霊峰、大山(だいせん)。大山寺(鳥取県)が立つのはその中腹で、修験道場として開かれたのが始まりです。参道奥には大神山神社奥宮。神を仏の化身とする神仏習合の面影が今も色濃く残ります。緑の木立に囲まれた阿弥陀堂で五木さんをひっそりと待ち受けていたのは、平安を代表する仏師、良円の作と考えられている、観音菩薩像と勢至菩薩像を脇侍に従える阿弥陀如来像。その像の大きさに五木さんは感じ入りました。

「久遠寺」(山梨県)

久遠寺(山梨県)は、日蓮宗総本山。日蓮聖人がその晩年、法難を避けて身延(みのぶ)の山中に結んだ草庵が起源です。厳しい寒さや飢えを忍びながら法華経の教えを究め、日蓮はこの地を終の棲家と定めました。 三門から参道を歩み、垂直の壁のような287段の悟りへの階段「菩提梯」を登り切ると、正面に本堂。法華経の根本道場です。題目の文字も本尊だと説き、「大曼荼羅本尊」を書いた日蓮。五木さんは草庵跡を見て、日蓮の心境に思いをはせます。