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#44
「南禅寺」(京都) 「西明寺」(滋賀)
「南禅寺」(京都府)
東山三十六峰の麓に立つ南禅寺(京都府)。室町幕府により禅宗の最高位「五山之上」とされました。豪壮な三門の楼上は一般に公開され、歌舞伎「楼(さん)門(もん)五(ご)三(さんの)桐(きり)」で石川五右衛門が「絶景かな 絶景かな」と見得を切る舞台として有名です。三門奥の法堂から棟続きで立つ方丈は国宝。狩野派が多数の金碧障壁画を描きました。徳川に庇護されたため、明治の廃仏毀釈で廃寺寸前に追い詰められましたが、寺は今、堂々たる伽藍を構えて参拝者を迎えています。
「西明寺」(滋賀県)
琵琶湖東岸の地域に立つ三つの名刹「湖東三山」。その一つ、西明寺(滋賀県)は平安時代創建の古刹。織田信長に焼き討ちされますが、僧と村人が結束して抗しました。僧侶が自ら火を放って全山焼失を装い、村人が仏像を背に避難し、その伽藍と仏像を守り抜いたのです。中でも三重塔は鎌倉時代に飛騨の匠が一本の釘も使わずに建てた国宝。質朴な外観ながら、内部には中心に坐す大日如来像を囲むように、鮮やかな極楽世界が描かれています。