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#43

「一畑寺」(島根) 「大乘寺」(石川)

「一畑寺」(島根)

一畑寺(島根県)は、宍道湖を望む一畑山の山上にあります。古くから「目の薬師様」と呼ばれ、目を患う人々の信仰を集めてきました。平安の昔、一人の漁師が海から薬師如来像を引き上げ、その功徳で漁師の母親の眼病が治った、と伝えられます。この像を本尊として祀ったのが寺の始まり。絶対秘仏とされ、脇侍の日光・月光菩薩像に護られるように安置されています。五木さんは本堂を参拝し、病気平癒を願う人々の信仰の意味を改めて考えます。

「大乘寺」(石川県)

曹洞宗第二の本山ともいわれる大乘寺(石川県)。大本山永平寺を建立した道元の直弟子が開山です。「規矩大乘(修行規則が厳しい大乘寺の意味)」とうたわれ、今も雲水が修行に励み、また一般に向けて坐禅の場を設けています。開山堂には道元禅師像。山門の楼上には、釈迦如来像を中心にずらりと並ぶ十六羅漢像。隣接する野田山墓地に向かった五木さんは、日露戦争で戦死した若き兵や捕虜となったロシア兵の墓石を前に思いを巡らせます。