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#41

「真如堂」(京都) 「横蔵寺」(岐阜)

「真如堂」(京都府)

真如堂(京都府)は鈴聲山真正極楽寺の通称。八百万の神々が神楽を舞ったという伝説の丘に佇みます。木立の中に黒々とそびえ立つ三重塔を、戦後派を代表する作家・野間宏は、著作「わが塔はそこに立つ」で印象的に描写しました。寺の本尊は「人々を、特に女人をお救いください」との慈覚大師円仁の願いにうなずいたとされる「うなずきの弥陀」。五木さんは円仁から恵信僧都源信、法然、親鸞へと連なる念仏の流れ、そして物語の力を確かめます。

 

「横蔵寺」(岐阜県)

濃尾平野を取り囲む深山幽谷の地にひっそりと佇む、天台宗の祖・最澄ゆかりの古刹、横蔵寺(岐阜県)。その昔、山の民と最澄が力を合わせて建立しました。仏像や曼荼羅など数多くの寺宝を有し、「美濃の正倉院」とも言われます。それら貴重な宝物を納めた瑠璃殿で、五木さんは理想の仏像に出会いました。「ずっとお会いしたいと思っていた仏さまです。繊細で優雅で女性的な凛とした美しさを湛えていらっしゃいます。とくに横顔が好きだな」と。