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#39
「妙成寺」(石川) 「華厳寺」(岐阜)
「妙成寺」(石川県)
日蓮宗本山・妙成寺(石川県)は、日本海に突き出した能登半島の付け根辺りにあります。兵火を免れ、創建当時の面影を残す端正な伽藍は、加賀三代藩主前田利常の母の菩提寺として、手厚く保護されてきました。高台に立つ北陸唯一の木造五重塔は海を望み、「物見の塔」の役割も担ったと言います。寺には名作「松林図」で知られる長谷川等伯が30歳の頃に描いた「涅槃図」が伝わり、五木さんはその豊かな色彩と圧倒的な描写力に見入りました。
「華厳寺」(岐阜県)
西国三十三所巡礼とは近畿一円に点在する三十三の観音霊場を巡る旅。華厳寺(岐阜県)はその第三十三番札納め、満願の寺です。本堂に向かう参道には「南無十一面観世音菩薩」と書かれた白い幟がはためき、百八基の石灯篭がずらりと並びます。本堂の奥深くに祀られた秘仏の本尊・十一面観世音立像に手を合わせる白木綿の羽織姿の巡礼者たち。長い旅を経て満願成就を果たした人々には、新しい人生が始まります。