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#37
「瑞巌寺」(宮城) 「百済寺」(滋賀)
「瑞巌寺」(宮城県)
瑞巌寺(宮城県)は日本三景の一つ、風光明媚な松島に立つ古刹です。総門を過ぎて参道を東に逸れると、巨岩を繰り抜いたやぐら(洞窟遺跡群)が並びます。ここは墓所であり、納骨所。松島は古くから亡き人の供養をする霊地であり、その信仰が境内にも残りました。戦国時代に荒廃した寺を再興したのは仙台藩主、伊達政宗です。聖観世音菩薩立像を祀る本堂は国宝。部屋ごとに絢爛豪華な襖絵が設えられ、豪壮な堂宇に桃山美術の粋が凝縮されました。
「百済寺」(滋賀県)
琵琶湖の東岸、鈴鹿山脈に連なる山中に佇む三つの名刹は「湖東三山」と呼ばれます。今回紹介する百済寺(滋賀県)は、その中でも最古の寺。「湖東の小叡山」と称されるほど壮大な伽藍でしたが、織田信長にすべて焼き尽くされてしまいました。廃寺に追い込まれながらも人々の信仰によって再建を果たした本堂は、長い石段と石垣からなる表参道の先にあります。秋には千本もの紅葉が燃え、巨大寺院の面影を残すいつもは閑寂な境内が、参拝者で賑わうのです。