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#34
「中尊寺」(岩手) 「萬福寺」(京都)
「中尊寺」(岩手県)
中尊寺(岩手県)は世界遺産に登録された平泉の文化遺産の一つ。慈覚大師円仁を開祖とし、奥州藤原氏初代の清衡が再興。松尾芭蕉が「五月雨の 降り残してや 光堂」と詠んだ金色堂は、清衡建立時の姿を留める国宝です。阿弥陀如来坐像を中心に黄金の仏像群が安置された須弥壇は精緻な螺鈿蒔絵に彩られ、さながら極楽浄土。戦乱が続いた奥州に仏国土を築こうとした清衡以降、藤原三代は源頼朝の軍門に下るまで、平泉に百年の栄華を極めました。
「萬福寺」(京都府)
江戸時代初期に来日した中国・明の禅僧、隠元。隠元禅師を開祖とする黄檗宗の大本山が萬福寺(京都)です。天王殿には黄金の弥勒菩薩(布袋)が祀られ、その先には蛇腹天井や円窓など、中国風の意匠が施された大雄宝殿。また、別坊・宝蔵院が収蔵する「一切経」の膨大な版木に刻まれているのは、今日も用いる「明朝体」。皆で卓を囲んで食す普茶料理に舌鼓を打ちながら、五木さんは隠元禅師がもたらした大陸文化の重みを噛みしめました。