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#20
「青岸渡寺」(和歌山) 「粉河寺」(和歌山)
「青岸渡寺」(和歌山県)
世界遺産「熊野古道」の一角に佇む青岸渡寺(和歌山県)。境内からは名瀑「那智の滝」を一望できます。西国三十三所巡礼の第一番札所でもあり、古来、参拝者が後を絶ちません。かつて、寺の南に広がる熊野灘の彼方には観音菩薩の浄土、補(ふ)陀(だ)落(らく)山(さん)があると信じられ、釘打ちされた棺のような小船に乗って、死を覚悟して船出して行った僧たちがいました。「補陀落渡海」です。五木さんはその出発点に立ち、渡海にまつわるドラマに思いを馳せます。
「粉河寺」(和歌山県)
西国三十三所巡礼、三番目の札所である粉河寺(和歌山県)。五木さんが訪れた時、境内の桜は満開で多くの巡礼者の姿がありました。豪壮かつ優美な本堂には、内陣奥に秘仏の本尊・千手千眼観音菩薩像を納めた厨子と、大日如来、鬼子母神、不動明王など、様々な仏像が安置されています。また、秀吉の紀州攻めで全焼した後、境内から掘り出された頭部だけの観音像に特別に対面した五木さんは、寺がたどった二千年の歴史の重みを感じました。