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#19

「建長寺」(神奈川) 「本妙寺」(熊本)

「建長寺」(神奈川県)

海と山に囲まれた要害の地に鎌倉幕府は開かれました。中国・宋から来日した蘭(らん)渓(けい)道(どう)隆(りゅう)は、時の執権・北条時頼の招きでそこに建長寺(神奈川県)を建立。日本初の純粋禅の専門道場です。純粋禅は密教を兼ねていた当時の禅とは異なり、京の文化と一線を画そうとする鎌倉武士に広く浸透しました。五木さんは、後深草天皇直筆と伝わる「建長興国禅寺」の大額を掲げた三門の楼上を特別に拝観して、釈迦如来像を取り囲む表情豊かな五百羅漢像に圧倒されます。

「本妙寺」(熊本県)

本妙寺(熊本県)を建立した戦国武将・加藤清正は法華経を篤く信仰し、「南無妙法蓮華経」の題目を旗印として数々の武勲を立てましたが、熊本城築城を始め、領内の整備にも尽力。死後は神格化されて、現世利益を叶える「清正公さん」として親しまれています。清正を祀る浄(じょう)池(ち)廟(びょう)は「胸突(むねつき)雁木(がんぎ)」と呼ばれる176段の石段の先。五木さんは浄池廟参詣後、さらに300段の石段を上って巨大な加藤清正公銅像の下に立ち、熊本城と熊本市街を見渡します。