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#17
「善光寺」(長野) 「観世音寺」(福岡)
「善光寺」(長野県)
「牛にひかれて善光寺参り」は、思わぬ偶然でよい方面に導かれることの譬え。善光寺(長野県)の本尊はすべての人を極楽往生へ導くとされ、古来、身分を問わず幅広い信仰を集めてきました。本堂外陣には、参拝者に撫でられて表情さえ見えなくなった賓(びん)頭(ず)廬(る)尊(そん)者(じゃ)像。148畳もの内陣に進めば金色の二十五菩薩像。無宗派のこの寺を天台宗の大勧進と浄土宗の大本願が護持しています。本尊の一光三尊阿弥陀如来像は絶対秘仏。身代わりの前立本尊御開帳は7年ごとに催されます。
「観世音寺」(福岡県)
観世音寺(福岡県)は7世紀後半、「遠(とお)の朝廷(みかど)」と呼ばれた大宰府政庁の東隣に位置していました。天智天皇がその母・斉明天皇追善のために発願し、国家の庇護のもとに大宰府が造営。公認の僧侶資格を与える戒壇が設けられ、最盛期には七堂伽藍が甍を並べる大寺院でした。降りしきる雪の中、五木さんは日本最古の梵鐘を撞き、1300年の歳月が生み出す音色に魅了されます。また宝蔵では巨大な観音像を見上げて、人間存在の卑小さを改めて思い知るのです。