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#16

「四天王寺」(大阪) 「善通寺」(香川)

「四天王寺」(大阪府)

四天王寺(大阪府)は、聖徳太子創建の日本最古の官寺。町中にあって「天王寺さん」として親しまれています。南北一直線に並ぶ堂塔を回廊がぐるりと囲む伽藍は、「四天王寺式」と呼ばれ、飛鳥時代の姿を忠実に再現したもの。講堂下陣には聖徳太子を中心に、日本仏教界を牽引した高僧たちの掛軸が並んでいます。最澄、空海、法然、親鸞など宗派を超えた「和」の世界。五木さんは亀井堂で母の法名を記した経木を浮かべ、その極楽往生を祈りました。

 

「善通寺」(香川県)

善通寺(香川県)は、弘法大師空海が自身の生誕の地に建立した寺。四国八十八箇所の第七十五番札所であり、高野山、東寺とともに「弘法大師三大霊跡」にも数えられます。境内は西院(さいいん)と東院から成ります。西院は空海の生家があった場所で、中央の御影堂は寺の中心的な堂宇。東院は空海が造営を手掛けた寺域で、五重塔がそびえます。その向かいに立つ樹齢千数百年の大楠を見上げ、五木さんは宗教の根源にある生命への畏怖の念を感じ取ります。