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#14

「高野山」(和歌山県)「霊山寺」(徳島県)

「高野山」(和歌山県)

高野山(和歌山県)は、弘法大師空海が深山の地に開いた密教の修行道場です。一山全体を境内とするこの寺の名は総本山金剛峯寺。中心伽藍の一つ、根本大塔の内部には曼荼羅世界が広がり、参拝すれば仏と結縁(けちえん)できるとされます。また、奥の院の大師御廟前の燈籠堂にはあまたの燈籠に灯が点り、その荘厳さに五木さんも息を飲みました。空海は没したのではなく入定した、つまり、今も生きているとされ、燈籠堂には毎日食事が奉げられています。

「霊山寺」(徳島県)

霊山寺(徳島県)は、弘法大師ゆかりの霊場を辿る八十八箇所巡礼、いわゆる四国遍路の一番札所。「一番さん」と呼び親しまれています。天井から無数の燈籠が吊り下げられた本堂で、秘仏である本尊・釈迦如来坐像を特別に参拝した五木さんは憂えます。お遍路さんが増えるのは、社会が不安定で生き辛いためではないか、と。白衣(はくえ)姿で住職から巡礼の心構えを諭されたお遍路たちは、弘法大師の分身である金剛杖を携え、覚悟を持って歩き始めます。