バックナンバー

#472

井筒和幸(映画監督)

ゲスト×インタビュアー
井筒和幸(映画監督)× 小松靖(テレビ朝日アナウンサー)

昭和を舞台にした最新作「無頼」では、頼るべきものをなくした少年が、
任侠の世界に生きる姿を描く。
物語には現実の出来事が散りばめられ、不思議なリアリティを醸し出す。
自身の集大成だという作品で、井筒が描いたものとは?

1952年、奈良県大和郡山市生まれ。小学生で映画の魅力に取り憑かれた。
小学校時代、映画の面白さを教えてくれたのは父親だった。小学5年生で初めて
観た映画は「陸軍残虐物語」。そして「バルジ大作戦」を見たことをきっかけに、
“映画を撮る側”になろうと思ったという。

高校に進学すると、堰を切ったように映画にのめり込む。高校1年生の時に見たのが
「猿の惑星」。アメリカ映画の魅力を知り、映画漬けの日々を過ごす。自主映画を製作、ゲリラ上映したことも。その後、映画の世界には進まず、定職には就かなかった。
「働くことは、自分の時間と体を金で売る行為。なぜ働かなければならないのか?」
思い悩んでいた時に出会った、2つの映画。映画監督になることを決意させた、その映画作品とは?

監督デビューは23歳で作ったピンク映画。低予算の自主制作で、配給先のメドすら
立っていなかったという。29歳で一般映画「ガキ帝国」を発表。これが日本映画監督
協会の新人奨励賞を受賞し、一躍注目される。そしてあるヒット漫画の実写化の依頼
が舞い込む。しかしその撮影は、井筒にとって苦戦の連続だったという。

若手俳優を積極的に起用する井筒映画。撮影中は、彼らと何ヶ月も寝食を共にする
ことがある。祭りにも似た映画作りを通して、井筒は何を追い求めているのか。
その内面に迫る。
インタビュアーは、テレビ朝日アナウンサー 小松靖