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#364

中野信子(脳科学者)

ゲスト×インタビュアー
中野信子(脳科学者)× 舘野晴彦(編集者)

1975年、東京生まれ。子供時代は周りから明らかに浮いていて、空気が読めない、クラスでも異質な存在だったという。「なぜ、自分は周りとなじめないのか?」その原因を究明したことが脳科学者・中野信子の原点となったという。しかし、脳科学に興味を持ったものの、当時はまだ学問として確立されていなかった時代。なぜ、人は褒められるとうれしいのか? なぜ、人は他人をねたむのか? なぜ、人は何年も先の目標に向かって努力を続けるのか?…こうした疑問を解明することが自分の使命だと感じた中野は、東京大学から同大学院、そしてフランス国立研究所へと進学し、研究に没頭していく。人もうらやむエリート街道を歩んでいた中野だが、意外にも心の中では「このままでは人生が終わってしまうかもしれない…」という危機感を抱いていたという。その真意とは?
36歳の時、明石家さんまが司会のテレビ番組に出演したことがきっかけとなり、一躍脚光を浴びる。セロトニン、ドーパミン、オキシトシン…、専門的な言葉を使いながらも、人間社会の動きや行動を脳科学者の立場から分かりやすく解説したことで、世間から注目を集めた。
これまでに出した著書は10冊以上、話題となった「サイコパス」は現在までに発行部数25万部を超える大ベストセラ―となり、今秋以降も新刊の発売が控えるなど、学者の域を超えた活躍を続けている。
また、中野の黒髪は実はカツラ。テレビのドキュメンタリー番組でカミングアウトして今ではすっかり有名になった。学生時代から金、茶、緑、赤…など、さまざまな色に髪を染めてきたうえ、中学時代から愛聴する音楽は、聖飢魔ⅡやX JAPANといったハードロックやヘビーメタル。脳科学にカツラにヘビメタ…そんな意外な組み合わせとギャップも、中野の人気の秘密なのかもしれない。
脳科学と出会い、大きく変わった人生。中野が人生を費やしてきた脳科学とはそもそもどんな学問なのか? 脳科学を知ることで私たちの人生や暮らしにどんな利点や影響があるのか? そしてなぜ、世間は脳科学、そして中野信子に関心を持ったのか?
インタビュアーは、編集者・舘野晴彦。脳科学者を目指すことになった意外な経緯から脳科学者の立場から語る恋愛、結婚、老い、仕事、そして幸福まで…縦横無尽に語り尽くしたその内容は、中野の意外な一面に光が当たる貴重なインタビューとなった。