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#355

横手喜一(ポーラ代表取締役社長)

ゲスト×インタビュアー
横手喜一(ポーラ代表取締役社長)×浜田敬子(ビジネスインサイダー日本版統括編集長)

昨年1月、48歳の若さで社長に抜てきされた横手。化粧品業界で今、最も注目を集める革新的な経営者の原点とは?
インタビューの舞台は、五反田の本社内にある、社員の想像力を促すための部屋、通称“赤の部屋”。本人いわく「いつも通り」というカジュアルな服装で、収録に臨む。スーツスタイルは「自らの世界観に無い」という独自の感性を持つ横手。しかし、そうした従来の枠にとらわれない考え方は、経営面でも存分に発揮されている。
就任早々、横手は、創業当初からポーラの成長の原動力である「ポーラレディ」と呼ばれる販売員たちの名称を「ビューティーディレクター」へと変更した。これまでの訪問販売で化粧品を売るだけのイメージから、美しさを提案できる役割へ…現場の意識改革を促そうと考えての決断だった。オートロックの普及や在宅率の低下など、近年の社会構造の変化を感じ取った横手は、かつての訪問販売のスタイルは時代に合わないと判断し、店舗へ客を誘導するスタイルに移行を図っているのだという。
創業80年以上のポーラは伝統ある企業だが、時代にそぐわないと感じればそれを一新し、新しいイメージを打ち出して浸透させていく。ブランディング戦略を進める横手は、従来の価値観に縛られない革新的な経営者として期待を集めている。
しかし、そもそも化粧品会社に入社したつもりは全くなかった。入社当初に希望とは違う部署に配属された横手は自らを、「やる気のない、ダメ社員だった」と振り返る。そこで、人生を変えるある仕事を経験したことで、心を入れ替え、仕事に熱中していくことになるのだが…。ダメ社員のやる気を引き出した、その仕事とは?
さらに38歳で、テレビ通販の子会社社長に就任した当時、社長として意気込んで乗り込んだものの、年上の従業員との距離感に悩み、体調を崩し入院したという意外な過去を明かす。このつらい経験から、あることに気付き、その後は従業員たちの心をつかむことができたのだという。横手が現場で学んだ経営者としての本質とは?
今、最も注目を集める化粧品業界の革命児・横手喜一。さまざまな改革に取り組むその経営手腕と経営哲学、その原点にビジネスインサイダー日本版統括編集長の浜田敬子が迫る!