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#342

吉田鋼太郎(俳優)

ゲスト×インタビュアー
吉田鋼太郎(俳優)×ヤン ヨンヒ(映画監督)

豪放でチャーミング、朗々としたセリフでシェイクスピアの世界を体現してきた俳優・吉田鋼太郎、58歳。吉田は、なぜシェイクスピア劇に引かれたのか? そして吉田鋼太郎の名を世に広めた大恩人、演出家の蜷川幸雄との知られざる秘話とは? 渋くダンディーな吉田が“モテる”本当の理由とは? 独自の存在感を醸し出す俳優の素顔に迫っていく。
吉田がインタビュー会場に指定したのは、青春時代を過ごした東京都日野市の日野第三中学校。郊外の緑豊かな場所にある母校で、吉田の記憶も自然とよみがえっていく。感受性豊かな10代のころ、どのようにして舞台、そしてシェイクスピア作品に引かれていったのか、その理由が明かされる。
上智大学に進学し、シェイクスピア研究会に所属した吉田は、舞台の世界にどっぷりとはまっていった。しかし、そこからの役者人生は決して平坦なものではなかった。長い下積み生活を送り、「自分は優れた役者だ」という自負があった吉田は、報われないジレンマと戦い続けることになる。
転機となったのは、演出家・蜷川幸雄との出会いだった。まったくの無名俳優だったが、その稽古を初めて蜷川が見た時、吉田の運命は変わった。その演技をじっと見つめる百戦錬磨の演出家。鬼気迫る吉田の演技を目の当たりにし、蜷川の顔つきはみるみる変わり、最後は口をポカンと開けてとりこになったという。あの蜷川幸雄が、だ。その後、蜷川と吉田は多くのシェイクスピア作品で名舞台を生み出してきた。今回、普段はあまり多くは語らない蜷川幸雄という恩人について、吉田は深く、そして優しく多くを語ってくれた。吉田にしか語れない人間・蜷川幸雄の魅力とは…?
インタビュアーのヤン ヨンヒは、“モテる”男・吉田鋼太郎の魅力にも切り込んでいく。女性からはもちろん、小栗旬、藤原竜也など、多くの若手俳優から慕われる理由はどこにあるのか? 渋くダンディーな外見とは裏腹に、コミカルでどこか少年のような吉田の人柄を様々な角度から暴いていく。
7月からは、世界で1000万人以上の観客が賞賛したミュージカル「ビリー・エリオット」に出演する吉田。映画「リトルダンサー」の監督、スティーブン・ダルドリーが演出を手掛け、音楽はエルトン・ジョン、脚本・歌詞はリー・ホールが担当するという世界規模の大作。作品の魅力はもちろん、外国人演出家と作りあげていく苦労や裏話も明かす。
こんなにじっくりと自分自身のことを話したことはない、とインタビュー終了後に語った吉田。番組を見終えた時、あなたも彼の魅力のとりこになるはずだ。