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#63

三木たかし

記録より心に残るヒット曲を数多く生み出した作曲家、三木たかし――
シングル総売上枚数が約2000万枚という輝かしい成功を遂げながら、常に音楽と真摯に向き合った三木は、称賛を浴びてもなお、「まだどこかにあるはずの何か」を追い求めた旅人でした。その苦難と葛藤が、ジャンルを超えた多彩な名曲を昭和歌謡史に刻みつけたのです。
●「津軽海峡・冬景色」 型破りな演歌の誕生――世に出てすぐ大きなスランプへ。阿久悠との出会いが音楽への迷いを消した。(「みずいろの手紙」「ジャガー」「乙女のワルツ」他)
●「時の流れに身をまかせ」 盟友との誓い――約2000曲の三木作品のうち、400曲でコンビを組んだ盟友・荒木とよひさとの邂逅。そしてアジアの歌姫テレサ・テンに捧げた三部作への道程。名実ともに歌謡界の頂点へ。(「つぐない」「愛人」「別れの予感」)
●ミュージカル「異国の丘」 若き日の夢を追って――シンフォニーやミュージカルを書きたい……初志を通し、劇団四季と紡いだ舞台の数々。(ミュージカル「李香蘭」「南十字星」他)
●「さくらの花よ 泣きなさい」 桜に込めた命への想い――作曲家生活40年目に、末期の下咽頭がんと宣告される。声帯の切除を含め、苛酷な闘病生活を支えた家族の献身。再びギターを手にした三木は、万感の思いを「さくら」に託した。(「夜桜お七」他)
優しく厳しい眼差しで昭和の日本を見つめ続けた三木たかし。長い旅路の果てにたどり着いた景色とは……。思い出深い名曲とともに、愛と優しさにあふれた三木たかしの人生に迫ります。
●「夕月」 兄妹愛でつかんだ夢――音楽を支えに生き抜いた極貧の子供時代。妹・黛ジュンと作曲家・船村徹の門を叩き、その才能を見出される。(「恋はハートで」「禁じられた恋」他)