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#59

美空ひばり

©ひばりプロ

今も歌謡界にさんぜんと輝く女王、美空ひばり。延べ1000曲を超える楽曲をレコード・CDに残した、昭和歌謡界における不世出の大スターだ。ひばりの芸能生活は波乱に満ちたものだったが、ファンの声援と家族の絆を支えに、歌謡史を飾り、そして昭和を駆け抜けた。没後27年を経過する今もなお、ひばり人気は衰えることを知らない。
美空ひばりの誕生と父・増吉の葛藤。「一卵性親子」と呼ばれた母・喜美枝の献身愛。突然の結婚、そして破局。ひばりは逆境を歌の力で乗り越え、「柔」「悲しい酒」を世に送り出した。そして、病死した母に続き相次いで弟2人を失った女王の孤独。家族愛に守られてきたひばりは、たった一人で「美空ひばり」を背負い、孤独と戦うことになる。さらに、息子・和也への思い…。病魔にむしばまれた体ながらも、長期休養後の東京ドームで「不死鳥」としてよみがえったひばりは、「川の流れのように」で自らの人生を歌い上げた。
時代と添い遂げた昭和の歌姫・美空ひばり。本人1人の力では、決して背負うことのできなかった宿命。それを乗り越えられたのは、家族の絆があったからだった。番組では、加藤和也、橋幸夫など、近しい関係者にインタビューを敢行。懐かしい歌声とともに、ひばりの素顔、家族の絆を描く。