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#511

髙﨑憲親 北陸製菓株式会社 代表取締役社長

 

「何が起こっているんだ?と驚く間もなく、とんでもない状況になっていました」 
今や北陸土産の定番となっている、あられ『ビーバー』。その人気のきっかけとなったのは、NBAで活躍する八村塁選手がチームメイトに配った『白えびビーバー』が大好評となっている動画だった。店頭から在庫が消え、注文が殺到。生産が追い付かず、謝罪対応に追われた。だが6年前、髙﨑が社長に就任するまでは、会社の売り上げ10%にも満たない、知る人ぞ知るお菓子だった。
 
入社後、工場勤務で全ての生産ラインを経験し、4年で社長に就任。魅力的な味で、若い世代に伝われば、主力製品になり得ると白羽の矢を立てたのが『ビーバー』だ。これまでパッケージに小さく描かれていたキャラクターを全面に推し出し、SNS戦略を始めた矢先に、八村選手の動画が話題に。だが、早急な全国展開を行わずに、生産を強化。すると、6年で売り上げは15倍に。北陸の米菓シェアナンバーワンを獲得した。
 
若い世代に浸透させるために行っているのがスポーツ大会などのイベントへの協賛。
自らもバスケ経験者である髙﨑は、Bリーグ『富山グラウジーズ』のスポンサーにもなり、
ゲームに足を運ぶ。さらに様々なブランドとのコラボ商品で認知度を広げる。目指すは
手に取ってみたいと思わせる、人を笑顔にさせる商品の開発だ。近々では大阪万博に出展予定がある中、八村選手のNBAの試合会場で販売したいという夢を持っている。

 

たかさき のりちか

 
1992年7月1日生まれ
1918年創業、ビスケットやカンパンが主力商品である北陸製菓の8代目社長。
面識のなかった八村選手とは、2022年ジャパンゲームズで初対面、感謝の気持ちを伝えた。
『ビーバー』は、かつて別のメーカーが生産していた商品の承継。1970年の大阪万博の
カナダ館に展示されていたビーバー人形の歯の形に似ていたことから命名された。今年で販売55周年を迎える。