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#494

山敷 守 株式会社DROBE 代表取締役CEO

 

「スタイリストが自分のために服を選んでコーディネートしてくれる」
そんな一般にはなかなか得難い体験ができるのが、山敷の手掛けたパーソナルスタイリングサービスだ。これまで富裕層向けの買物同行サービスなどはあったが、『DROBE』は個人的嗜好などの質問に答え、体型や予算の情報を入力すると、自身に合わせた洋服や小物の提携ブランドの新品が送られて来る。自宅で試着、購入する商品を残し、返送する(送料無料)だけ。それら全てがオンラインの作業で完結する手軽なものとなっている。
 
不定期のスケジュールで、時間にも不規則な仕事であるスタイリストは、女性が出産後に職場復帰しづらい状況にあった。彼女たちに、個人の顧客に寄り添う仕事でありながら、オンラインのフルリモート、フルフレックスという新しい働き方をマッチングさせることができた。現在100人以上が在籍しており、3人に1人は育児中である。
 
山敷が心がけているのは、未知との出逢い(セレンディピティ)をモノで提供することだ。AIが提案した候補商品の中から、最終的にスタイリストが送付商品を決定するのだが、そこに顧客があえて選ばなさそうな商品を加えるようにしている。個人に向けた新しい発見を提案するサービス、それをファッション以外の分野でも開拓していきたいという。

 

やましき まもる

 
1987年8月5日生まれ
東京大学在学中に起業を経験。ファッションは好きだったが、ビジネスとして手掛けたことはなかった。きっかけは、前職のコンサルティング会社でのリサーチだった。ファッションが好きな人ほど、何を着たらいいのかわからないという悩みを持つ女性が多いという事実を知り、ファッション業界にいない自身が起業することに意味を見出した。