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#482

長曽我部竣也 ファイバークレーズ株式会社 代表取締役社長

 

大学の授業で起業に興味を持った長曽我部は、自分でビジネスを立ち上げようとするが、
これといったものが見つけられず、自身の大学での研究を実用化できないかと考えた。
注目したのは岐阜大学工学部・武野明義教授の研究の1つ。フィルムや繊維にナノサイズ
の穴を開け、抗菌や防虫、消臭、保湿などの成分を閉じ込めて高機能素材を作る、世界で唯一の加工技術。
 
武野教授の研究は約30年前から始まり、これまで10以上の特許を取得したものだが、日の目を見ることはなかった。どれだけ優れた研究でも、事業を推進するプレイヤーが
いなければ、ビジネスとして成立しない。メーカーは試作品を作っても、相当の思い入れがなければリスクを取って先へ進まないし、教授は資金集めや営業までする余力はない。そこに、技術を理解する研究者であり、フットワークの軽い学生の長曽我部がプレイヤーとなって、会社を設立した。
 
現在、マレーシアの研究機関と感染症を防ぐ衣類の共同開発を行い、国内では農業用の防虫ネットの製造や、保湿成分を含んだ美肌効果の期待できる商品の開発を進めるなど、
そのビジネスは多岐に渡っている。

 

ちょうそかべ しゅんや

 
1997年10月25日生まれ
岐阜大学工学部3年のときにベンチャーを志す。武野教授の研究室に入り、教授と意気投合し、起業。数々のビジネスコンテストで入賞を果たす。自身の後に続く起業家を生み出そうと、学内ではサークル「起業部」を設立。「繊維のまち」として知られる愛知県一宮市で育ち、街の衰退も目にしてきた中で、繊維産業に貢献したいと語る。