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#431

牧野友香子 株式会社デフサポ 代表取締役

 

聴覚障害児は、世界どこでもどんな民族でも1000人の1人の割合で誕生するとされる。
その9割は耳の聞こえる両親から生まれてくる。そんな突然の状況にどう子育てをすれば
いいかわからない親たちをサポートするために、牧野が設立したのがデフサポだ。
そこには、自らも先天性の難聴者として生きてきたこと、そして50万人に1人という骨の難病を抱えて生まれてきた長女を育てていく中で、情報などがなく苦労した経験がある。
 
難聴者にとってわかりにくい表現を重点的に学習する、子どものレベル一人一人に合わせた教材「デフゼミ」を言語聴覚士とともに作成、さらに個別カウンセリングなどで難聴者を持つ親や当事者である子どもの悩みに応える活動や、企業や学校などに難聴者や障害者が置かれている状況や対応策などを伝えるコンサルティング業務や講演活動、さらに難聴者の現状をYouTube(登録者数12万人)などで情報発信する活動を行っている。

 

まきの ゆかこ

 
1988年8月29日生まれ
 
先天性の難聴であるが、判明したのは2歳の時。幼児期に口話による言語訓練を受け、
自らは相手の口元から内容を読み取る読唇術で会話を行い、発音は周りの人間関係の中で
矯正されて覚えた。健聴者に交じって、公立の幼稚園から高校まで進み、ピアノ、水泳、テニスといった習い事も経験してきた。
 
神戸大学で心理学を学び、一般採用でソニー株式会社に入社。2012年に結婚。
骨の難病を抱えた長女の子育てをきっかけに、2017年、株式会社デフサポを設立。
現在は、夫の仕事の都合もあって、家族でアメリカに暮らしている。